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コバルトブルーの火口湖、謎の変色 霧島連山・新燃岳 [科学系よもやま話]

コバルトブルーの火口湖、謎の変色 霧島連山・新燃岳(asahi.com)

鹿児島、宮崎両県境にまたがる霧島連山で火山活動を続ける新燃(しんもえ)岳(1421メートル)の火口湖の色が、普段の美しいコバルトブルーにから茶色に変色してしまったそうです。

火口湖というと、群馬県の白根山頂の湯釜や蔵王のお釜が有名ですね。実は、世界の活火山の約4%が山頂に火口湖を有しているんだとか・・・。

これらの火口湖に共通するは、太陽の光の当たり方でエメラルドグリーンやコバルトブルーなど様々な色に見える点です。コップに汲んでみても殆ど透明に見えるようですが、実際には溶けている鉄イオンを始めとする金属イオンや硫黄や鉱物の微粒子(コロイド)がたっぷりです。そのため、酸性度が高いのも特徴ですね。

そして、太陽光の当たり方で色が変わる原因もこれらの成分に因ります。湖水の色は、太陽光の溶存するコロイド硫黄によるレイリー散乱と鉄イオンの吸収スペクトルによって変化する事が解明されています。
このような湖水の化学成分に依存する色の変化は火山活動(湖底噴気活動)を反映するのではないかと考え、湖水の色をモニタリングして火山活動を解析する試みが、京都大学の理学研究科附属地球熱学研究施設で行なわれているそうですよ。

実際、阿蘇火山中岳第一火口の火口湖の色が青色から緑色の度合いを強め、突然黄緑色に変化した事が2003年に起こったそうです。詳しくは京都大学のサイト内で紹介されていますので、気になる方はご覧になっては如何でしょうか?(http://kagi.coe21.kyoto-u.ac.jp/jp/tidbit/tidbit22.html)京都大学 地球熱学研究施設・大沢信二助教授、京都大学 火山研究センター・須藤靖明助教授、吉川 慎技官による報告( 2004-03-01 )

これらの文献から推測すると、今回の新燃岳の火口湖が茶色になったのは、3価の鉄イオンの塩酸酸性溶液が支配的になったのかもしれませんね。素人の勝手な推測なので、他の金属イオンの影響とか別の理由に因るかもしれません。でも、原因を想像するのも面白いものです。
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