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木星の10倍以上、巨大惑星2つの撮影成功 [科学系よもやま話]

木星の10倍以上、巨大惑星2つの撮影成功(2009年12月4日04時10分 読売新聞):http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091204-00000073-yom-sci

<記事抜粋>
 国立天文台などの研究チームは3日、太陽と同じような大きさの主星(恒星)の周囲をまわる二つの巨大惑星を、すばる望遠鏡(米ハワイ島)を使って直接撮影したと発表した。

 惑星は、いずれも木星の10倍以上の大きさで、太陽と同程度の星が、これほどの巨大惑星を持つことは考えにくく、惑星誕生の新しい理論の構築への糸口になりそうだ。
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おぃおぃ。この記事を書いた記者には問題ありだぞ~。太陽とおなじような大きさの主星に、木星の10倍以上の大きさの惑星?
この記事を読んで、多くの人が疑問を持ったでしょう。太陽の直径はおよそ木星の10倍。つまりこの記事の惑星は、主星よりも大きいって話になる。いや、有り得なくは無いけど、ホント?

早速、すばる望遠鏡のWebサイト(http://subarutelescope.org/j_index.html)の観測成果から、元の発表を見てみました。(直リンクはコチラ

案の定この記事は明らかな誤り。正しくは、太陽とほぼ同じ質量の主星に、木星の10倍以上の質量の惑星と思われる伴星というのが正解でした。そりゃ~そうだ。
大きさ的には、太陽よりやや小ぶり(0.88倍)の主星を木星とほぼ同じ大きさの伴星が周っているらしい(リンク先の図2参照)。全く、いつから質量が大きさを表す値になったんだか・・・。

それにしても、インターネットの発達で、メディアを介さず、直接情報発信者のコメントが見られるようになったのは助かります。変なフィルター無しで情報収集できますからね。その分、情報は玉石混交ですが、な~に新聞やTVが流す情報だって、真偽については似たようなものかもしれません。

まあ、記者への文句はこの位にして、本題へ。
 
発表されたのは、こと座の方向、地球から50光年離れたG型星(GJ758)を周回する惑星候補 GJ758Bについて。今回、世界で初めて、惑星候補 GJ758Bを直接撮像観測により発見しましたそうです。

ホットジュピターと呼ばれるガス惑星は、多数発見されていますが、このGJ758Bの表面温度は約330℃と推定されています。これは、これまでに撮像されたG型星の伴星天体の温度としては最低記録。

太陽系とよく似たサイズの惑星系で、木星よりも巨大質量の惑星候補が発見されたことで、従来の惑星形成理論の見直しが必要になるかもしれまえせんね。
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yabonnjin

わかりやすい解説有難うございます。
科学部の記者が記事書くんじゃないんですかね?
そのうち訂正記事が出るんでしょうか。
by yabonnjin (2009-12-05 08:02) 

optimist

yabonnjin さん、こんばんは。
私も偉そうに言える身分じゃありませんが、なんか 適当な書き写し記事を見る機会が多い気がして、つい書いちゃいました。
他にも何度か見たことがありますが、訂正記事はでないんじゃないかな~。
by optimist (2009-12-06 22:31) 

北海道大好き人間

でも、広い宇宙のことですから、主星よりも惑星や衛星の方が大きいということもあり得るのではないでしょうか?
by 北海道大好き人間 (2009-12-18 18:46) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
主星の比重が重く、衛星の比重がとっても軽い場合は、逆転するでしょうしね。
でも、なかなか想像し難いけど、確かに伊絶対無いとは言えませんね。
by optimist (2009-12-19 00:05) 

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