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アルコールが飲めるかどうかの判定方法(アルコール代謝の話#3) [科学系よもやま話]

前回、お酒に強い、弱いは、アセトアルデヒド脱水素酵素 (ALDH)の変異に拠る部分が多く、遺伝的な要素が強い事をご紹介しました。勿論、それだけで全てが決まる訳ではありませんが、自分のALDH2のタイプを知っておいて損はないでしょう。

そこで、簡単にALDH2のタイプを調べる方法を幾つかご紹介します。

まずは、TAST(東大式ALDH2表現型スクリーニングテスト)。問診だけで判定できるので、とっても簡単です。症状に対する3つの回答に点数が割り振られ、全部を合計してマイナスなら弱い~飲めない体質(AA型とAG型)という感じで判定できます。
以下に配点を載せますが、簡単にチェックできるサイトも見つけました(リンク切れだったらゴメンなさい)。
お酒とのつきあい方をチェック(リンク)』(後志保健福祉事務所保健福祉部)
TAST.jpg

他には、アルコールパッチテストも良く使われます。簡単なテストなのに、約95%の確率で、ALDH2の不活性/活性を判定できるそうです。保健所などでやっている場合もあるようですが、消毒用アルコールと絆創膏があれば、簡単に判定できますよ。以下にその方法を載せておきます。

エタノールを染み込ませたパッチテスト用バンソウコウを前腕内側に貼って、7分間後にはがします。この時点で皮膚が赤くなっていたらAA型です。もし、変化が無くても10分後に再度確認して、赤くなっていたらAG型。やはり変化がなければGG型って感じです。
アルコールパッチテスト(リンク)』(徳島大学保健管理センター)

これらの方法は、簡易的ですが、実際にある程度ALDH2の型と相関が認められていますし、TASTとアルコールパッチテストの結果には関連があるという報告もあるので、試してみてはいかがでしょう。

因みに、私はTASTが-19.45で、アルコールパッチテストでも最初から赤くなってますのでAA型みたいです。全く飲めないって事はありませんが(体質から言えば、全く飲めないんですが)、ビール一口で真っ赤になれます^^;さて、判定で自分が飲めるタイプか、飲めないタイプかが分かるというお話をしましたが、意外とお酒好きかどうかとは関係ないようです。勿論、基本的にはあっているのですが、こんな論文を見つけました。『大学生のアルコールに対する体質の自覚とアルデヒド脱水素酵素2遺伝子型(ALDH2)(リンク)』

これによれば、アルコールに対して強いと思っている人の割合はGG型で高く、AA型ではいなかったそうです。赤くなるので、自分はお酒に強い訳ではないってのは自覚できるようですね。
しかし、アルコールに対する好みについては、アルコールが好きという人の割合は、GG型では勿論高いものの、AA型やAG型でも約3割がアルコールが好きと答えたらしい。中にはアルコールに対して、弱くて少ししか飲めないが好きという人も・・・。何故こうなるのかはアセトアルデヒド脱水素酵素 (ALDH)だけでなく、アルコール脱水素酵素 (ADH)のタイプも含めて考察する必要があるようです。

ということで、次回は、アルコール脱水酵素の活性/不活性とそのタイプについてのお話です。

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コメント 3

yablinsky

簡単なチェックやってきました。
「あなたは、アルコールに関して飲める体質です。」
だそうです。そんなに酔わないので一応飲める体質であることは自覚していました。しかし、私は職場でどうしても外せない宴会しかでないので、飲酒は年間数回程度です。基本的にお酒がおいしいと感じません。ジュースの方がいいですね。
by yablinsky (2010-03-27 11:44) 

optimist

yablinsky さん、こんばんは。
私は飲めないけど、白ワインや日本酒の味そのものは嫌いではありません。でも飲めないから意味無いんですけどね^^;
お酒が飲める人でも、お酒は嫌いというyablinsky さんとは逆ですね。
by optimist (2010-03-27 20:11) 

北海道大好き人間

私も「あなたは、アルコールに関して飲める体質です。」と判定されました。ですが、前にも書いたように、飲めるモノと飲めないモノがあります。食べ物でもそういうモノがあります。
by 北海道大好き人間 (2010-06-14 22:24) 

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