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新世代の赤外線天体カタログ、日本から世界に公開へ [科学系よもやま話]

先週、JAXAから赤外線天体カタログの公開が発表されました(『新世代の赤外線天体カタログ、日本から世界に公開へ(リンク)』)。

この『赤外線天体カタログ』は、日本の赤外線天文衛星『あかり』が観測した約130万天体にも及ぶ赤外線で輝く天体の情報を集めたものです。今回の一般公開により日本発のカタログが、世界中の天文研究者に使われるんですね。
ASTRO-F.jpg
「提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)」
赤外線天文衛星『あかり』は、JAXA宇宙科学研究本部を中心に計画が進められてきた赤外線天文衛星で、2006年2月にM-Vロケットで打ち上げられました(打ち上げ前の名称は「ASTRO-F」あるいは IRIS:Infrared Imaging Surveyor)。赤外線による全天観測を世界で初めて行ったのは、IRAS衛星(1983年米英蘭)で、天文学の進歩に大きく貢献しました。『あかり』は、この全天観測観測を、更に広い波長域で、そして、はるかに優れた空間分解能と検出能力で実行しました。

この全天観測観測は、2006年5月8日から冷却用の液体ヘリウムを使いきった2007年8月26日17時33分まで行なわれました(冷却しないと赤外観測ができないのですが、機械式冷凍機では冷却力不足のため遠・中赤外は無理で、近赤外線装置しか使えないため)。この間に全天の約96%の領域について遠赤外線サーベイ観測を、また中間赤外線サーベイ観測や5000回以上の指向観測を達成したそうです。ここで得られた観測データが解析され、2008年末には初版が作成されたのですが、今回、いよいよ全世界に向けて、赤外線天体カタログの公開となったようです。

この赤外線天体カタログ、天体総数は約130万となりその数だけでもIRAS衛星の5倍。その解像度や感度もIRAS衛星より優れ、更に広い波長域の情報が含まれるという優れものなんですよ♪

そうそう、そんな『あかり』のこれまでの観測結果は、JAXAのWebサイト上で見る事が出来ます。
『あかり (ASTRO-F)衛星 > 観測成果(リンク)』

興味のある人は、ご覧ください。

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コメント 3

Loby

日本発の赤外線天体カタログが世界中で使われるってすごいことですね。 天文学観測に関しては、日本は他の国に決してひけをとりませんね♪
by Loby (2010-04-05 06:40) 

optimist

実際、アメリカとロシアは置くとしても、各国共同で開発しているEUに対し、日本は良くやってるよな~と思います。
軍事ならいざ知らず、学術・民需だけで宇宙開発を一国で行うって、なかなかできることではないですよね。
by optimist (2010-04-11 22:20) 

北海道大好き人間

>天体総数は約130万となり
それでも銀河系のみですから、それ以外の天体が観測できればいいですね。なんか「宇宙戦艦ヤマト」がより身近に感じてきます。
by 北海道大好き人間 (2010-06-14 23:12) 

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