パナマで発見された新種のカエル [不思議な生き物・奇天烈生物紹介]
今日取り上げるのは、スミソニアン熱帯研究所によて公開された、新種のカエル「Pristimantis educatoris」と「Pristimantis Adnus」に関するニュースです。
スミソニアン熱帯研究所 プレスリリース『Two New Frog Species Discovered in Panama’s Fungal War Zone(pdfファイル)』
今回公開された写真がこれ。
Pristimantis educatoris(左)とPristimantis Adnus(右)
Credit:Andrew Crawford/Smithsonian Tropical Research Institute
『Smithsonian Tropical Research Institute Web Site(リンク)』
この発見には、カエルツボカビ症が深く関わっています。カエルツボカビ症は、1999年に新属新種と認められた真菌カエルツボカビ(Batrachochytrium dendrobatidis Longcore et al.)によって引き起こされる両生類の感染症なのですが、ご存知でしょうか?両生類の体表に寄生し繁殖すると、皮膚呼吸が困難になり死んでしまう、致死性の高い病気なんだそうです。
2007年には、日本国内でもカエルツボカビ症侵入緊急事態宣言が出されている程です。横浜動物園ズーラシアなどで、カエルツボカビ症についての展示があったと思います。かなり大変な事態の割りに、一般には知られていないような・・・。
さて、そんなカエルツボカビ症によって、中米パナマではカエルが激減したのですが、スミソニアン熱帯研究所などが、この病気の侵入が今後予想される東部の地域のカエルを捕獲し、動物園で飼育することで絶滅から救う試みを進めています。今回発表された新種のカエルもその活動の中で見つかった物です。
プレスリリースによると、研究者は最初のパナマ運河の東に菌を検出したのが2008年。翌2009年11月には、チャグレス国立公園でもカエルの大量死が見つかっているそうです。
中南米の熱帯雨林は生物種の宝庫ですが、まだまだ未知の種が沢山居ると考えられています。それら、知られざる両生類の種も、このツボカビ症によって永遠に失われるかもしれないんです。今年は、『国際生物多様性年』でもありますが、生物の多様性について考えさせられるニュースでした。
スミソニアン熱帯研究所 プレスリリース『Two New Frog Species Discovered in Panama’s Fungal War Zone(pdfファイル)』
今回公開された写真がこれ。
Pristimantis educatoris(左)とPristimantis Adnus(右)
Credit:Andrew Crawford/Smithsonian Tropical Research Institute
『Smithsonian Tropical Research Institute Web Site(リンク)』
この発見には、カエルツボカビ症が深く関わっています。カエルツボカビ症は、1999年に新属新種と認められた真菌カエルツボカビ(Batrachochytrium dendrobatidis Longcore et al.)によって引き起こされる両生類の感染症なのですが、ご存知でしょうか?両生類の体表に寄生し繁殖すると、皮膚呼吸が困難になり死んでしまう、致死性の高い病気なんだそうです。
2007年には、日本国内でもカエルツボカビ症侵入緊急事態宣言が出されている程です。横浜動物園ズーラシアなどで、カエルツボカビ症についての展示があったと思います。かなり大変な事態の割りに、一般には知られていないような・・・。
さて、そんなカエルツボカビ症によって、中米パナマではカエルが激減したのですが、スミソニアン熱帯研究所などが、この病気の侵入が今後予想される東部の地域のカエルを捕獲し、動物園で飼育することで絶滅から救う試みを進めています。今回発表された新種のカエルもその活動の中で見つかった物です。
プレスリリースによると、研究者は最初のパナマ運河の東に菌を検出したのが2008年。翌2009年11月には、チャグレス国立公園でもカエルの大量死が見つかっているそうです。
中南米の熱帯雨林は生物種の宝庫ですが、まだまだ未知の種が沢山居ると考えられています。それら、知られざる両生類の種も、このツボカビ症によって永遠に失われるかもしれないんです。今年は、『国際生物多様性年』でもありますが、生物の多様性について考えさせられるニュースでした。
>カエルツボカビ症
数年前に新聞の記事に何度か登場していましたが、現在はどうなっているのでしょう。麻布大学にこの病気の研究者がいるようでしたね。
by アヨアン・イゴカー (2010-06-04 20:30)
アヨアン・イゴカー さん、こんばんは。
新聞にも載ってましたね。ただ、この手の話は続報が載らないのが常^^;
実は、国内の両生類の多くは、カエルツボカビ症に対して高い抵抗力があるんだそうです。その後の研究で、そもそもカエルツボカビ症の起源は日本或いはアジア圏なのではとする説も出るくらい。
深刻な被害が想定されるのは、耐性が無いヨーロッパ、オーストラリア、そしてこのニュースの中南米の両生類だそう。こっちは、本当に深刻なようです。
by optimist (2010-06-05 22:08)
optimist様
国内の両生類は抵抗力があるのですか。なんだ、よかった、とばかりは言っていられませんが、とりあえず全世界の両生類の死病でないことが分かりほっとしました。有難うございます。
by アヨアン・イゴカー (2010-06-05 22:18)
アヨアン・イゴカー さん、こんばんは。
麻布大学のHP内でも紹介している新聞記事にもありますが、とりあえず国内で蛙の大量死なんて可能性は低そうです。
URLを載せておきますね。
http://www.azabu-u.ac.jp/topics/2010/05/post_176.html
by optimist (2010-06-05 22:31)
>2007年には、日本国内でもカエルツボカビ症侵入緊急事態宣言が出されている程です
口蹄疫や鳥インフルエンザと違うのは、対象が人間の食用になるか否かで、その動物にとって脅威であることに代わりはありません。
カエルツボカビ症が人間にも伝染するとなればそれこそ大変で、水田なんかを消毒したりすることになったりするのでしょうか?
by 北海道大好き人間 (2010-06-15 19:03)
北海道大好き人間 さん、こんばんは。
カエルツボカビ症の場合は人間に感染はしませんが、耐性の無い両生類が絶滅する事が危惧されてます。
実際に経済的なダメージを受ける訳ではない点が、対策に投入される人とお金が少なくなってしまうのでしょう。
by optimist (2010-06-15 22:07)