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γ‐ウンデカラクトン(5‐ヘプチルテトラヒドロフラン‐2‐オン) [科学系よもやま話<香りの話>]

γ‐ウンデカラクトンは、図のような構造を持ち、常温常圧で、無色から淡黄色の液体で、桃のような香りを持つ物質です。主に、フレーバーや香水などに使われています。
γ-ウンデカラクトン.jpg
香料としての歴史は古く、香料の業界では通称C14アルデヒドと呼ばれます(別名は、ピーチアルデヒド)。その名前の通り、桃の香気成分の1つ(桃の香り成分は、現在確認されているだけでもエステル類、ラクトン類、アルデヒド類を中心に86成分もあります)。

桃の果実は、未熟の時は、エステル類が多いのですが、成熟するにつれて、ラクトン類が増加することが知られています。つまりγ‐ウンデカラクトンは、熟れた桃の甘~い匂いの成分というわけです。

因みにこの成分を使った香水として有名なのは、ゲランのMitsouko。名前だけは、私でも知っています。が、実際にはどんな香りなのか知りません^^;

ところで、上でご紹介したC14アルデヒドという名前は、物質名というより、香料業界での通称です。そもそも、アルデヒドじゃないし、勿論Cも炭素の意味じゃないから炭素数も14って訳じゃありません。

このような慣用名は他にもあります。ついでと言うわけではありませんが、下の表にアルデヒドじゃないC××アルデヒドを 幾つか載せてみました。
アルデヒドC14-18.jpg
化学物質って、この手の慣用名やら一般名詞化した商品名などが結構あるから、分かり難いという面があるかもしれませんね^^;
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北海道大好き人間

もはや、人工で作れない香料はないのではないかと思うくらい、科学(化学)技術が進歩しているのですね。
もしかすると、薬学部の学生とかは実験でこういうものを作ったりするのでしょうか?

by 北海道大好き人間 (2010-11-23 16:45) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
薬学系や有機化学系の学生なら、特定の構造の有機合成をした経験はあると思います。
とは言え、私の在籍した大学では、特に香料を作ったという話は聞きませんでした。
by optimist (2010-11-27 22:18) 

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