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STEREO Sun360 [お役立ち・面白Site紹介]

NASAの太陽観測衛星『STEREO』が、2011年2月6日に太陽をはさんで180度の位置に2機が並びました。つまり、太陽を同時に正対する2方向から観測できるという訳です。
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Credit:NASA
First Ever STEREO Images of the Entire Sun(リンク)』

太陽活動を世界で始めて3Dで表した画像を始め、サイズやfps違いの動画は、こちらからダウンロード可能です。
STEREO Sun 360(リンク)』

とはいいえ、全体が同時に観察出来るのは今だけ。今後、2機はの距離は縮まり、2015年にすれ違うことになります。
 
さて、このSTEREOプロジェクト。学術的な目的だけかと言えば、さにあらず。
研究目的外でも重要な役割を担っています。太陽から地球へのエネルギーと物質の流れを観測して、何をするかと言えば、宇宙天気予報。STEREOプロジェクトのデータを使って、米海洋大気局(NOAA:US National Oceanic and Atmospheric Administration)が、宇宙天気予報を行なっています。
 
勿論、宇宙で雨が降る訳じゃありません。太陽フレアと呼ばれる現象の警報や予報を行うんです。現在、精密な電子機器が我々の社会には不可欠となっています。特に衛星や航空機、或いは電力会社にとって、その予報には非常に価値があります。
フレア発生に伴う磁気嵐によって、人工衛星やISSの電子機器の損傷、通信障害などの他、電磁誘導による送電線の異常電流の発生などを事前に察知する事が出来るからです。

この宇宙天気予報は、日本でも国立天文台が運用している太陽観測衛星『ひので(SOLAR-B)』のデータを使って行われています。
独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)(リンク)』が運営している『宇宙天気情報センター(SWC)(リンク)』がそれです。

又、鹿児島工業高等専門学校のWebサーバ上の『宇宙天気ニュース(リンク)』では、太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新ニュースがアップされていますよ。

この宇宙天気予報、太陽活動は地球に見えている側の変化なら追うことができますが、それだけでは不十分です。反対側の太陽活動の様子をリアルタイムで知る事で、その面が地球側を向く前にその警報が出せるという仕組みです。

一般の人には、殆ど知られてないこのシステムですが、我々の生活に密接に関わり、非常に重要な物なんですよ。




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北海道大好き人間

ここでは触れていませんが、ラジオ(AM)の遠距離受信も磁気嵐の影響を受けやすいみたいです。
一般に真夜中の方が遠距離受信に向いているのですが(磁気嵐よりも、一般の無線機の方が関係します)、日によってバッチリ入ることもあれば全然ダメなことがあります。
そういえば以前、北海道・帯広の北40kmの山奥でNHK東京第一放送(JOAK 594KHz・以下「第一放送」は省略)を受信したことがあります。
北海道では、札幌(JOIK 567kHz)が100kWの高出力ですが(帯広はJOOG 603kHz 5kW)、それを遙かに上回る300kWの東京が聞けたのです。
上で書いた様に帯広では混信しやすいのですが、関東地方のローカルニュースと交通情報を流していたので、間違いありません。
他の人の話では、名古屋(JOCK 729kHZ 50kW)も聞けるのだとか!?

by 北海道大好き人間 (2011-02-12 13:06) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
仰る通り、ラジオのAM波も、そうですね。
遠くまで聞こえるという話をお聞きして、思い出したのが、学生時代にやった流星観測です。
逆にFM波が受信できないのを利用して、以前金沢に住んでいる時、FM東京に周波数を合わせて、ひたすらその音を拾うというラジオ観測。
流れ星が流れると、流れ星が、反射型の放送衛星みたいに、電波を反射するので、本来聞けないFM東京が、一瞬だけ聞こえるんです。
寒くない流星観測として結構やっていました。ただ、地味~ですけどw
by optimist (2011-02-15 22:37) 

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