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すばる望遠鏡、爆発的星生成銀河 M82の銀河風の起源を解明 [科学系よもやま話<宇宙の話>]

今日、ご紹介するのは、これ。
すばる望遠鏡、爆発的星生成銀河 M82 の銀河風の起源を解明(リンク)』

すばる望遠鏡に搭載された冷却中間赤外線撮像分光装置COMICSによる、波長10 マイクロメートルの中間赤外線を観測することで、星生成領域の温かいダストについて調べた結果、M82の銀河風は、1つの星団ではなく、複数の星団から吹き出したものが合わさってできていることを明らかにしたというものです。

M82(NGC3034)はおおぐま座にある銀河で、地球からの距離は1200万光年と言われています(写真はすばる望遠鏡のものではなく、チャンドラ、ハッブル、スピッツァーのデータの統合処理画像です)。
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Credit::NASA, ESA, and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA); Acknowledgment: J. Gallagher (University of Wisconsin), M. Mountain (STScI), and P. Puxley (National Science Foundation)
この銀河は、スターバースト銀河として知られていて、1万光年以上におよぶダストを含んだガスが秒速数百キロメートルの銀河風として放出されていることが知られています。
 
この銀河風は、この銀河で爆発的に星々が生まれている、いわば「ベビーブーム」の状態である事に由来すると考えられています。そのため銀河風の起源を調べるには、銀河中心部にある星生成領域の様子を詳しく見る必要があるわけです。
しかしこの領域は、大量のダストが厚く覆っているので、可視光での観測は難しい・・・。

そこで、可視光より波長が長く、透過しやすい中間赤外線で観測することで、中心部まで見通すのです。そして、この波長は、ダストが、生まれてくる星々に温められで発する赤外線の波長でもあるので、観察に最適という訳です。

尚、この観測結果は、日本天文会欧文報告誌 (Publication of Astronomical Society of Japan)すばる望遠鏡特集号 (2011年3月下旬刊行)に掲載予定だそうです。
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北海道大好き人間

1200万光年と言ったら、人類はまだ誕生していないわけですが、そこから見える地球はどんな感じなのでしょうか?

by 北海道大好き人間 (2011-03-21 11:13) 

optimist

北海道大好き人間さんこんばんは。
光の速さを越えて移動できたら、過去の地球を見ることができるって、不思議な気がしますよね。
そして、今見ている星は、実は消滅しているかもしれないというのも、変な感じです。
by optimist (2011-03-29 23:49) 

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