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光による概日時計の時刻合わせと目覚ましの仕組みを解明 [科学系よもやま話]

今日ご紹介するのは、これ。
光による概日時計の時刻合わせと目覚ましの仕組みを解明(リンク)』

この研究成果は、PNAS(Proceedings of the National Academy of Sciences:米国科学アカデミー紀要)にも掲載されています。
Light-dependent and circadian clock-regulated activation of sterol regulatory element-binding protein, X-box-binding protein 1, and heat shock factor pathways(リンク)』
※Full Textは、有料です。但し、PNASは、発行後半年経つと無料閲覧可能となります。

東京大学の研究グループなどによれば、光による概日時計の時刻合わせにSREBP(Sterol Regulatory Element-Binding Proteins:脂肪酸合成関連遺伝子の転写調節因子)が関与することが分かったのだそうです。

光によって活性化されたSREBPは松果体でのステロイドホルモンの合成と分泌を促進し、行動量を上昇させるのだとか。

松果体といえば、夜の睡眠促進ホルモンであるメラトニンを分泌することで知られています。
この松果体、今回の報告によると、睡眠だけでなく、目覚ましにも重要な生理的役割を果たすのだそうです。
合成経路.jpg
解析の結果、松果体は図のように、コレステロールをもとに7α-ヒドロキシプレグネノロンというニューロステロイドを活発に合成・分泌することが示されています。
ヒヨコを使った実験では、松果体を取り出して光を当てると7α-ヒドロキシプレグネノロンの分泌量が上昇すること。ヒヨコ脳内に7α-ヒドロキシプレグネノロンを投与すると行動量が大きく上昇することが認められています。

つまり、松果体は、メラトニンを介して睡眠を促進するだけでなく、7α-ヒドロキシプレグネノロンを介して目覚めにも関わっているという訳。

面白いですね。
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北海道大好き人間

人間などの生物には「体内時計」があるといわれていますが、それとは関係あるのでしょうか?
人間の場合、光が全く入らない暗闇で時計なしの生活をさせると、およそ25時間周期になるそうです。

これは新生児でもほぼ同じでして、妹が初めて子供を産んだ時に母乳を与える時間と体内時計の関係から、いつ頃授乳したらいいか(ぐずるか)、そこからいつ頃仮眠したらいいか教えたことがあります。
産婦人科医も、そのことを学んだ上で妊婦さん(特に初産の人)に教えれば、夜泣きの悩みも軽くなると思います。

by 北海道大好き人間 (2011-03-22 09:20) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
人間の生活周期が25時間というのは、私も聞いた事があります。

授乳のタイミングと睡眠ですが、個体差・・・いや個人差が大きそうです。
上の子は、とにかく眠りの周期が短かく苦労させられましたが、下の子は眠りの周期が長いわ、多少の事では起きないわで、兄妹でこんなに違う物かと思ったものです・・・。
by optimist (2011-03-22 22:40) 

北海道大好き人間

多分、25時間周期の間に3,4回授乳するのか、7,8回授乳するのかの差だと思います。
まあ、授乳の周期がわかれば、その間に母親が休むとかできると思うのですが。
というか、母親はそれを育児ノートに書きながらチェックしているはずですよね。

by 北海道大好き人間 (2011-03-23 13:51) 

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