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宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機(HTV2)再突入の予定日 [科学系よもやま話<宇宙の話>]

国際宇宙ステーション(ISS)とドッキング中の、宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機(HTV2)のステーションからの分離と大気圏再突入の日程がJAXAから発表されました。
宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機(HTV2)の国際宇宙ステーションからの分離及び再突入の予定日の決定について(リンク)』

日本時間で、ISSからの分離予定は、2011年3月29日(火) 午前0時45分頃。そして、大気圏への再突入は、2011年3月30日(水)午後0時10分頃の予定です。

尚、「こうのとり」2号機については、JAXAのWeb Site 『宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)(リンク)』で、ご覧頂けます。
 
ところで、こうのとり(HTV)は使い捨てな訳ですが、スペースシャトルの様に再利用しないの?という疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。

使い捨て、再利用のメリットデメリットはあると思いますが、使い捨てが採用される一番の理由は、やはりコストです。
何度も利用するための機体と一回使い捨ての機体では、その建造・メンテナンス・打ち上げコストが全く違ってくるからです。そもそも躍起になって再利用するメリットって何でしょう?リユースの精神は尊いと思いますが、リユースする事で、かえって建造から打ち上げまでの総エネルギーが多く消費される場合、はたしてそれが良いことなのか?というロジックは詭弁ではないと思います。
勿論、結局はお金って話だという側面は否定しきれないと思いますが・・・。まあ、それだけスペースシャトルの不採算性が問題だったという事なのでしょう。

というわけで、こうのとり(HTV)は、大気圏に再突入する途中で燃え尽きる設計です。このとき、ISSから回収したゴミも一緒に焼却されます。但し、耐熱金属等でできた一部の部品は燃え尽きないので、太平洋上(あるいはインド洋)に落下させるのだそうです。
再利用できないまでも、燃え尽きさせずに回収という方法もあると思いますが、これまた主にコストの問題で、現状は燃え尽きさせる設計です。

ところで、スペースシャトルの退役に伴い、宇宙から実験試料などを持ち帰る手段が問題となります。というのもESAの欧州補給機(ATV)も使い捨てのため、人員や資料を地球に持ち帰る手段がソユーズ宇宙船くらいしか無くなってしまうからです。

これに対して、JAXAでは、回収機能付加型宇宙ステーション補給機(HTV-R)を検討しています。
回収機能付加型宇宙ステーション補給機(HTV-R)検討状況(pdfファイル)』

これによれば、当面は小型の回収カプセルを使ったサンプルリターン、そして最終的には本体ごと回収できるように、そしてゆくゆくは有人機開発へと繋がるという構想です。
その時が、待ち遠しいですね。



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北海道大好き人間

地上の家電製品とかと違って、リサイクルするにも問題が山積しているわけですが、資源に限りがあるので、早くリユース・リサイクルしやすい素材で機体を作って欲しいです。

by 北海道大好き人間 (2011-03-27 13:41) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
資源という点から言えば、軌道エレベータを作って、宇宙船は全て軌道エレベータの先にある宇宙港から宇宙空間だけを移動し、大気圏の離脱や再突入は行わないというのが、一番良さそうです。
はたして、そんな日をこの目で見ることができるのか?楽しみではあります。
by optimist (2011-03-30 00:00) 

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