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エチレングリコールモノフェニルエーテル [実験]

先日ご紹介したボールペンのインクに使われるエチレングリコールモノフェニルエーテルがヤマトシロアリの足跡フェロモン様の作用をする実験について、もう少し詳しくご紹介します。。

まずは、エチレングリコールモノフェニルエーテルの構造をご紹介します。
エチレングリコールモノフェニルエーテル.jpg

エチレングリコールモノフェニルエーテルは、別名フェノキシエタノールとも呼ばれ、微かな芳香を有する無色透明の液体です。水酸基やエーテル基をもち、各種有機物の優れた溶媒となる上、揮発性が低く高沸点であることから、インキ、農薬などの分野で溶媒として使用されたり、香水の保留剤としても使われています。

さて、そんなエチレングリコールモノフェニルエーテルは、ヤマトシロアリの足跡(道しるべ)フェロモンと類似の働きをするのですが、実際にフェロモンの構造はどうなっているかと言えば、こんな感じ。
道しるべフェロモン.jpg
一見すると、何処が似ているの?って思いますよね。

似ている部分って、末端が水酸基ってだけのような・・・。でも、他にも3つのC-C二重結合を持っているという共通点があります。何より、構造式で見てもそれほど似ていないにも関わらず、分子構造を立体的に考えると、両者の構造は似ているので、シロアリの受容体がどちらも同じ足跡(道しるべ)フェロモンとして認識してしまうという訳です。

説明しやすいように、両者の立体構造が見られるフリー素材が無いか、調べてみたのですが、私には見つけられませんでした^^;
自分で描いても良いのですが、ちょっと今余裕が無いので、ご容赦下さい。

ヤマトシロアリが黒ボールペンで書いた線を追う様子はこんな感じです。
1.jpg
3.jpg
5.jpg
少々見難いのは、ご容赦ください。

尚、ヤマトシロアリは朽木などで結構簡単に採取できるようですが、ご家庭で実験される場合は、自己責任でお願いします。
※今年(2011年)の『青少年のための科学の祭典(リンク)』で、京都府京都市立桃山小学校 山本佳孝さんが出展されていますので、やり方は、これを参考すると良さそうです。
シロアリの不思議(pdfファイル)』

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コメント 2

北海道大好き人間

動画であればもっといいかも知れませんが、確かにボールペンで書いた線の上を辿っていますね。
これを利用してシロアリを一網打尽にできたりするのではないでしょうか?

by 北海道大好き人間 (2011-09-14 18:18) 

optimist

北海道大好き人間さん、こんばんは。
ボールペンで誘導する事はできるでしょうが、働きアリなどが引き付けられるだけでしょうから、巣ごと一網打尽とはいかないのではないかと思います。
by optimist (2011-09-20 21:16) 

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