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睡眠障害改善に効果あり? パッションフルーツの不思議な力 [科学系よもやま話]

今日ご紹介するのは、産業技術総合研究所の大西芳秋主任研究員らの研究論文に関してです。

産総研 TODAY Vol.11(2011) 7月号より 『睡眠障害改善に効果が期待されるハルミン(pdfファイル)』
尚、この研究は、英国の科学誌「Bioscience Reports(バイオサイエンス・レポート)」に掲載されています。
The harmala alkaloid, harmine is a modulator of circadian Bmal1 transcription.(pdfファイル)』(Bioscience Reports (2011) Immediate Publication, doi:10.1042/BSR20110002)

この報告によれば、私が大好きなフルーツの一つであるパッションフルーツに豊富に含まれるハルミン(ハルマラアルカロイド化合物)に、生体リズム制御作用があるらしいのです。
ハルミン.jpg
植物療法用のハ-ブサプリメントでは、パッションフルーツ・フラワー(トケイソウ)の薬効として、鎮静、精神安定(睡眠障害)などが謳われているそうですが、体内時計を遅らせる効果まで見つかったというののですから、面白いですね。
今回解ったのは、ハルミンがBmal1遺伝子の転写リズムの周期を延長させる効果があり、概日リズムの障害に起因した疾患の治療または予防効果の可能性があること。つまり時差ぼけ解消に使えるかもしれないというのです。

因みに、パッションフラワー(トケイソウ)の薬効としての鎮静・精神安定については、これとは別に、神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン)やホルモン(メラトニン)などのものアミン類の分解を抑えるモノアミン酸化酵素阻害剤(MAOI)として、ハルミンが働く事に起因すると考えられています。
セロトニンなどの神経伝達物質の分解を抑えることによって、抗うつ薬として使われるMAOIとして働く天然成分という訳。

凄いぞ!パッションフルーツ。

でも、ちょっと気になるのは、ハルミンが概日リズムを伸ばす効果と、鎮静、精神安定による安眠効果、これって拮抗するものでは?という点。
それとも鎮静、精神安定で安眠できて、概日リズムが伸びるから長い間寝ていく事で時差ぼけが解消していくのかな?機会があれば、聞いてみたいかも。

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北海道大好き人間

ようやくレスが追いつきました。
コメント返しは、気になったものだけで十分です。

さて、時差ぼけの解消法ですが、現地の夜に到着してそのまま一夜を過ごすのが一番いいのかなあと思います。
もちろん、スポーツ選手みたいに事前に現地入りして調整できればいいのでしょうけれど。
来年のロンドンオリンピックは、日本時間では夕方から翌日の朝にかけて競技が行われるのですが、日本でも「時差ぼけ」が起こりそうですね。

by 北海道大好き人間 (2011-09-14 18:50) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
なんともレスが遅くて申し訳ありません。

お言葉に甘えて、全部にレスはつけないかもしれませんが、ご容赦ください。
by optimist (2011-09-24 22:02) 

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