カイコウオオソコエビの特異な生態の解明と新規セルラーゼの発見 [科学系よもやま話]
今日は、JAMSTEC(海洋研究開発機構)のプレスリリースから、カイコウオオソコエビに関する報告をご紹介します。
『マリアナ海溝世界最深部に生息する超深海性ヨコエビの特異な生態の解明と新規セルラーゼの発見(リンク)』
カイコウオオソコエビは、マリアナ海溝の深海底に生息するヨコエビの一種で、このブログでもご紹介した事があります(『カイコウオオソコエビ』)
※新江ノ島水族館展示のカイコウオオソコエビ(撮影:optimist)
その消化酵素を調べてみると、タンパク質を分解するプロテアーゼ、脂質を分解するリパーゼを持っているだけでなく、澱粉を分解するアミラーゼやセルロースを分解するセルラーゼも持つ事が分かっています。そして、それらは、2℃、1000気圧という極限環境でも働く酵素です。
今回、更に詳細にこの酵素を調べた結果が、1012年8月15日付けの科学誌「PLoS ONE」に論文が掲載されました。そして、同定されたセルラーゼについては、特許出願申請中なんだとか。
『the hadal amphipod Hirondellea gigas possessing a unique cellulase for digesting wooden debris buried in the deepest seafloor(リンク)』(PLoS ONE 7(8): e42727. doi:10.1371/journal.pone.0042727)
カイコウオオソコエビは、魚の切り身を餌として採取する事ができるのですが、セルラーゼ、アミラーゼ、マンナナーゼ、キシラナーゼなどの植物性多糖分解酵素を持つことが特定されています。
また、カイコウオオソコエビが生息する深海底において、彼らの他は、ナマコ類を除き、殆ど生物が見つかっていない事、同時に採取した海底泥から、木片が見つかった事などから、論文では次のように推測しています。
曰く、カイコウオオソコエビは、他の生物の死骸を餌とするものの、いつ落ちてくるか分からない死骸を待つ間、流木などの植物片を食べて命を繋いでいる。
餌に乏しいからこそ、なんでも粗食にも耐えられるように進化したんでしょうかね~。
今回検出された酵素の内、カルボキシメチルセルロースをグルコースとセロビオースに分解するセルラーゼは、新規物質という事です。他生物の持つセロビオースに比べても反応性が高かった事から、木材等と反応させることによって、。バイオ燃料としてのエタノールの原料であるグルコースを効率よく生産する事ができるかもしれないと、期待されるそうです
また、バイオ燃料などのエネルギーとして利用しなくても、枯れ木等から直接グルコース生産が可能なので、これを食品に加工することで、世界の飢餓地域の栄養改善にも利用できると考えられるのだとか。
今後が、楽しみですね♪
『マリアナ海溝世界最深部に生息する超深海性ヨコエビの特異な生態の解明と新規セルラーゼの発見(リンク)』
カイコウオオソコエビは、マリアナ海溝の深海底に生息するヨコエビの一種で、このブログでもご紹介した事があります(『カイコウオオソコエビ』)
※新江ノ島水族館展示のカイコウオオソコエビ(撮影:optimist)
その消化酵素を調べてみると、タンパク質を分解するプロテアーゼ、脂質を分解するリパーゼを持っているだけでなく、澱粉を分解するアミラーゼやセルロースを分解するセルラーゼも持つ事が分かっています。そして、それらは、2℃、1000気圧という極限環境でも働く酵素です。
今回、更に詳細にこの酵素を調べた結果が、1012年8月15日付けの科学誌「PLoS ONE」に論文が掲載されました。そして、同定されたセルラーゼについては、特許出願申請中なんだとか。
『the hadal amphipod Hirondellea gigas possessing a unique cellulase for digesting wooden debris buried in the deepest seafloor(リンク)』(PLoS ONE 7(8): e42727. doi:10.1371/journal.pone.0042727)
カイコウオオソコエビは、魚の切り身を餌として採取する事ができるのですが、セルラーゼ、アミラーゼ、マンナナーゼ、キシラナーゼなどの植物性多糖分解酵素を持つことが特定されています。
また、カイコウオオソコエビが生息する深海底において、彼らの他は、ナマコ類を除き、殆ど生物が見つかっていない事、同時に採取した海底泥から、木片が見つかった事などから、論文では次のように推測しています。
曰く、カイコウオオソコエビは、他の生物の死骸を餌とするものの、いつ落ちてくるか分からない死骸を待つ間、流木などの植物片を食べて命を繋いでいる。
餌に乏しいからこそ、なんでも粗食にも耐えられるように進化したんでしょうかね~。
今回検出された酵素の内、カルボキシメチルセルロースをグルコースとセロビオースに分解するセルラーゼは、新規物質という事です。他生物の持つセロビオースに比べても反応性が高かった事から、木材等と反応させることによって、。バイオ燃料としてのエタノールの原料であるグルコースを効率よく生産する事ができるかもしれないと、期待されるそうです
また、バイオ燃料などのエネルギーとして利用しなくても、枯れ木等から直接グルコース生産が可能なので、これを食品に加工することで、世界の飢餓地域の栄養改善にも利用できると考えられるのだとか。
今後が、楽しみですね♪
お手軽、簡単にお子様だけでなく、大人も楽しめる自由研究自由研究キット 「でんぷん分解力を探... |
これ、今朝のNHKニュースでも取り上げていました。
バイオ燃料等に有効利用されるといいですね。
by 北海道大好き人間 (2012-08-16 22:04)
北海道大好き人間 さん、こんばんは。
直ぐに実用化・・・となるかはわかりませんが、これからに期待したいですね。
by optimist (2012-08-18 23:19)