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フンコロガシは天の川を道標にする!? [不思議な生き物・奇天烈生物紹介]

米科学誌Current Biologyに掲載された論文が、朝日新聞で紹介されていました。
Dung Beetles Use the Milky Way for Orientation(リンク)』(Current Biology, 24 January 2013)

その内容は、フンコロガシは月がない夜、天の川の明かりを手掛かりに、糞の玉を運んでいるとするもの。太陽や月ならまだわかるのですが、月の無い夜空であっても天の川を頼りにしているらしいのです。

検証方法は、次のようなものです。フンコロガシの移動する方向を追っていくと、月を見せた時、月の無い夜空を見せた時とも、夜空を見えなくした時に比べ、より真っ直ぐ進む事が分かったそうです。
更に、プラネタリウムを使って実験すると、満天の星や天の川を投影しても、ほぼ真っすぐに素早く糞を転がしたのに対し、暗闇や明るい星が18個程度の時は、あっちにフラフラ、こっちにフラフラするというのです。
論文のFigure1をご覧頂ければ、一目瞭然です。
1-s2.0-S0960982212015072-gr1.jpg
※論文中のFigure.1
A:月が無い夜空が見えている時の、フンコロガシの軌跡
B:夜空が見えてない時のフンコロガシの軌跡
日本では、あまり馴染みのないフンコロガシですが、凄い能力を秘めているんですね。

フンコロガシは自分が転がしている糞玉を真っ直ぐ安全な場所に運ぶ事ができれば良いのですが、寄り道しまくっているほど、ライバルに糞玉を奪われるなどのリスクが増える訳です。で、できるだけ真っ直ぐ進む方が安全なわけですが、どうやら夜空を目印に運ぶ能力を持っているという事らしいです。
といっても、人間のように、実際に個別の星を見分けている訳では無く、天の川などの星々のグラデーションを認識しているようです。

眼鏡を外した私のような物かもしれませんw
ところで、これまでに星を誘導目標に使っている事が分かった生き物は、一部の鳥など僅かな種類しかいません。
でも、実は知らないだけで、結構普通に利用しているって可能性もありそうですね。



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コメント 4

optimist

間違って記事をアップしておりました。
申し訳ありません。
修正して、公開致しました。
北海道大好き人間様、ご指摘ありがとうございました。

by optimist (2013-01-29 22:00) 

北海道大好き人間

天の川が最もよく見えるのはさそり座やいて座が昇ってくる時ですが、その時は真夏になるので今程空気は澄んでいなく、よほどの条件が揃わないと見えません。でも、それを頼りにしているというのも不思議です。
上に書いたのは北半球でのことですが、これが南半球であれば反対に真冬になるので、空気が澄んでいて天の川がよく見えるかも知れません。

by 北海道大好き人間 (2013-01-29 23:48) 

Haruka・N

この記事を読んで、フンコロガシは天の川をどのように見分けているのか、不思議だったのですが、星々のグラデーションを認識し、区別しているかもしれないとの事。
人の目に写る星空とは、かなり違って見えるのでしょうね。


by Haruka・N (2013-01-31 23:33) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
夏でも光害の少ない離島などでは、驚くほど明るい星空を見ることができますよ。
フンコロガシもそんな世界でこそ、獲得した能力なのかもしれませんね。

Haruka・N さん、こんばんは。
実際、フンコロガシにどのように見えているのかは、想像し難いですね。
そもそも、視覚として認識しているのは脳でしょうし、彼らの見ている世界というのはどんなものなのでしょう?
by optimist (2013-02-04 21:48) 

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