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ペルー産の新種鉱物『ワンサラ石(Huanzalaite)』特別公開中(国立科学博物館) [科学系よもやま話<新鉱物>]

今日は、先月カナダ鉱物学会の学術誌に掲載された新鉱物について、ご紹介します。

この新鉱物は、独立行政法人国立科学博物館と三井金属鉱業の共同研究で、ペルー共和国のワンサラ鉱山(Huanzala Mine)から発見されました。国際鉱物学連合新鉱物・命名・分類委員会によって新鉱物『ワンサラ石(Huanzalaite)』と承認されたんです。

偉人や発見者、或いは神話に出てくる名前に因んだ鉱物もありますが、一番メジャーな発見場所の名前をつけたようですね。個人的には変わった名前も好きですけどw

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新鉱物『千葉石』 [科学系よもやま話<新鉱物>]

今日ご紹介するのは、千葉県内で採取された新鉱物が、国際鉱物学連合(IMA)の新鉱物・命名・分類委員会にて、『千葉石(Chibaite)』として承認されたというニュースです。
chibaite.jpg
提供:独立行政法人物質・材料研究機構(NIMS)

詳しくは、独立行政法人 物質・材料研究機構(NIMS),独立行政法人 産業技術総合研究所,千葉県立中央博物館,東北大学などによるプレスリリースをご覧下さい。
天然ガスを含む新鉱物『千葉石』(pdfファイル)』

英科学誌Nature Communicationsに掲載された論文は、コチラ(※Full Text は、有料です)。
New silica clathrate minerals that are isostructural with natural gas hydrates(リンク)』

都道府県の名前が付いた鉱物は、滋賀石、岡山石、新潟石、東京石、大阪石(発見順)に次いで6つめ。とは言え、日本産の新鉱物として登録された物は、100以上あり、地名に由来する名前を持つ鉱物(例えば、津軽鉱、南部石、多摩石、湯河原沸石、大隅石 、魚釣島石、etc・・・)も少なくありません。あくまで都道府県名を冠する鉱物が6つめって事。

とはいえ、県内で初となる新鉱物。千葉県立中央博物館では特別展示を開催中です。
千葉県立中央博物館 平成22年度トピックス展『新鉱物発見!名前は「千葉石」!(リンク)』
会期は2011年2月16日(水)~6月12日(日)。興味のある方は、千葉石が直接ご覧になれる、千葉県立中央博物館を訪れてはいかがでしょう。

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隕石(NWA1934)から発見された新鉱物『Krotite(クロタイト)』 [科学系よもやま話<新鉱物>]

今日、ご紹介するのは隕石から発見された新鉱物『Krotite(クロタイト)』。
Krotite-CAI-reflected.jpg
Discovery of New Mineral, Krotite, in a CAI(リンク)』

この新鉱物『Krotite(クロタイト)』は、写真にあるように、2.75mm×4.5mm。無色透明の結晶の集合体。アフリカの砂漠で回収された8kg程のCV3炭素質コンドライト(Carbonaceous chondrites)、NWA1934から発見されたそうです。

炭素質コンドライト隕石は、化学組成が太陽組成に近く、最も始原的な隕石と考えられていて、太陽系の初期状態を推定するための最適な試料と言われます。その中でも特に、CV3に分類される炭素質コンドライトは、母天体での水質変成や熱変成などの二次的な変成作用をあまり受けていない隕石です。

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南極大陸の岩石の中から新鉱物を発見 [科学系よもやま話<新鉱物>]

国立極地研究所の発表によると、2009年1月に、第50次日本南極地域観測隊「セール・ロンダーネ山地地学調査隊」が発見した鉱物が、国際鉱物学連合(IMA)に、新鉱物として認定されたそうです。
南極大陸の岩石の中から新鉱物を発見(リンク)』

南極観測の歴史も古く、世界でも有数の南極隕石保有国でもある日本ですが、意外にも日本の南極地域観測隊が、南極大陸を構成する岩石中から新鉱物を発見したのは初めてなのだとか。でもあくまで、南極大陸を構成する岩石中から発見したのが始めてなのであって、1963年には、ハロゲン化鉱物『南極石』が発見されています。因みに南極石は、南極の池の中で、水中に溶け込んでいる塩分などが低温条件などにより結晶化したものと考えられています。

今回の新鉱物は、無六方晶系の鉱物で、『ヘグボマイト類』いう稀少な酸化鉱物の一種に分類されるそうです。化学構造式はMg10Al22Ti46(OH)。でも、南極石のように命名権が得られる訳ではなく、『ヘグボマイト類』の命名ルールに従い、『magnesiohögbomite-2N4S(マグネシオ ヘグボマイト 2N4S)』という名称になるそうです。ちょっと残念^^;
名前につく「2N4S」は結晶構造を表す記号で、ノラナイト(N:nolanite)構造2枚とスピネル(S:spinel)構造4枚が層状に重なることにより構成される事を表しています。この2N4S構造をもつ鉱物自体、これまでに未確認という新鉱物らしいです。 
 

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