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地球外生命体の化石について [科学系よもやま話<生命の起源・進化>]

実は、2月末から発熱が続いていて、ダウンしていました。

ブログは事前投稿の自動アップだったので、先週一押しともいえるこのネタのアップが遅くなってしまっという次第・・・。
コメントへの返事も溜まっているのですが、暫くお待ちください。

で、私がダウンしている間に、ホットなニュースとして、彼方此方で取り上げられていたのが、下のリンクにある、2つ。隕石中から、細菌の化石を発見したというニュースと、それを否定するNASAのコメントについてのニュースです。 

この件で、重要なのは、論文が掲載された雑誌は、ScienceでもNature、はたまたPNASでもなく、Journal of Cosmology(ジャーナル・オブ・コスモロジー)だという点です。
権威主義に陥ってはいけませんが、十分な精査がされたと誰もが思うような査読論文誌では無いし、そもそもバックナンバーを見てもわかるように、Journal of Cosmologyは生命は地球外起源であるという主張の人々が投稿する雑誌だという事を抜きに語るのは、不誠実に思われます。

そして、あくまでNASAに所属する一科学者の見解であり、NASA宇宙生物学研究所長も、NASA科学ミッション部門のポール・ヘルツ(Paul Hertz)氏もこれを否定しています。

でも、NASAが否定しているのはこの論文についてです。つまり。この隕石中から発見されたという微生物(の化石)は地球外由来という見解を否定しているに過ぎません。

以前ご紹介したような、パン・スペルミア説を信じる科学者は少なくありませんし、太陽系内の他惑星やエウロパなどの衛星に生命が存在する(可能性がある)と考える人も多いのです。その点では、地球で繁栄する生命が、実は地球外起源を持つという可能性をNASAが否定しているというのではないという事も伝える必要があると思います。

どうも、この手の情報は一般の方の反応が良いせいか、既存メディアでは極端に話を展開する(或いは記載すべき情報が足らない)ように、個人的に感じます。

このような例は、ほかにも常温核融合などの論部発表記事にも見られる傾向だと思います。

少なくともマスメディアがこの件を伝えるなら、
1)論文を書いたのは、NASAに所属している科学者ではあるが、NASAの見解ではない。
2)掲載された雑誌は、Scienceなどの権威ある査読論文誌ではない。
3)論文の不備や信頼性とは別に、生命の起源を地球外に求めるという考えを支持するものは少なくない。
という3点について、言及すべきだと思います。

これらを理解した上であれば、変な思い込みをせずに、生命起源についての一論文として楽しむ事ができるのですから。





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コメント 3

北海道大好き人間

次の記事でコメントを書きますが、東北の地震が心配ですね。

by 北海道大好き人間 (2011-03-12 20:50) 

はいてんしょん

実際の話、本当だと面白いですが
今回はNASAが否定してますからねぇ
by はいてんしょん (2011-03-12 23:18) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
地震、本当に大変そうですね。私も心配しています。

はいてんしょん さん、こんばんは。
近い将来、別の形で同じような論文が査読論文誌で発表される可能性もありますし、楽しみにしていましょう。
by optimist (2011-03-14 20:46) 

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