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クジラもぺろり、古代の巨大マッコウクジラは「海の殺し屋」 [不思議な生き物・奇天烈生物紹介]

今日ご紹介するのも、一昨日と同じ英国の科学誌ネイチャー(Nature)で発表された 『Call me Leviathan melvillei (リンク)』に関してのニュースです。

ベルギー王立自然科学博物館によれば、ペルーのピスコで発見された新種のマッコウクジラは、巨大なあごと歯を持ち、自分の体の半分ほどの大きさのクジラを捕食していたと考えられたそうです。

イメージとしては鯨というより、巨大なシャチ?この巨大なマッコウクジラは、『メルヴィルのリヴァイアサン(Leviathan melvillei)』と名づけられたそうですが、勿論メルヴィルというのは、かの『白鯨(Moby Dick)』の作者、ハーマン・メルヴィル(Herman Melville)氏に因んだものだそうです。因みに、リヴァイアサンは、旧約聖書に登場する海の怪物のこと。
 
そんな全長14メートルにもなるこのクジラが生きていたのは、1200~1300万年前頃だそうです。巨大で頑丈な歯が揃っていて、大きな獲物を鋭い歯先で体を引き裂いて捕食していたと考えられます。リンク先の、頭とあごの骨の絵を見ると、人間より大きな顎に、ごっつい歯が並んでいるのが分かります。

因みに、現在のマッコウクジラの歯は下あごに小さい歯が並んでいるだけで、主に獲物は吸い込んで捕食するそうです。巨大なマッコウクジラの骨格標本は、国立科学博物館の地球館1Fで見られます。

あの巨大な体を見るだけでも圧倒されるのに、あんぐり開けた口に太い歯が並んでいたら・・・相当な威圧感ですね^^;


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yablinsky

もし鯨を食べていたら今でも生き残っていてもおかしくないですね。他の大きな生物を食べていてそれが滅んだので現在のように深海でイカを食べはじめたと考えたほうが自然かもしれません。では何を食べていたかというとアイデアはありませんが・・・
by yablinsky (2010-07-04 04:08) 

北海道大好き人間

うろ覚えですが、クジラは「歯クジラ」と「髭クジラ」に分類されますよね?
今のクジラは、その巨体さ故、飲み込むことには長けていても、かみ砕くことに関しては退化してしまったのでしょうか?
by 北海道大好き人間 (2010-07-04 12:04) 

optimist

yablinsky さん、こんばんは。
或いは、より小型のシャチなどとの競争に敗れたという事もありそうですね。
実際のところ、海に限らず肉食で生き残った種は、決して大きいものではないように思えますから。
いずれにしても、色々と想像が掻き立てられる話ですね。
by optimist (2010-07-04 21:20) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
ご指摘の通り、クジラ目は、ハクジラ亜目とヒゲクジラ亜目に分けられます。
それぞれどう進化したのかは分かりませんが、ハクジラ亜目の中で、最も噛み砕くという点で抜けた存在なのが、シャチです。
十分大きな生物ですが、確かにマッコウクジラ位大きいと、噛み砕くより飲み込む方に進化したとしても不思議は無いという気はしますね。
by optimist (2010-07-04 21:26) 

t-usuda

とてもごつい頭蓋&下顎ですね。骨格図を見た瞬間マッコウクジラ類とは思えませんでした。化石クジラ類はOdobenocetopsみたいな不思議な連中もいてとても面白いですよ。
また、この手の競争は、クジラ類以外にもたとえばサメ類や大型の潜水鳥類などとの競合も起こり得そうです。何にせよ興味は尽きません。
by t-usuda (2010-07-06 21:26) 

optimist

t-usudaさん、こんばんは。
Odobenocetopsは知りませんでしたが、これまた不思議な姿ですね。良い話を教えていただきました。ありがとうございます。
セイウチの顔をした鯨というだけならまだしも、一方の牙だけが伸びるって・・・。いやー生き物って本当に面白い!

by optimist (2010-07-06 22:27) 

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