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恐竜の絶滅原因について新説 [科学系よもやま話]

『巨大隕石の落下が、恐竜絶滅の引き金になった。』近年、多くの支持を集めるこの説ですが、恐竜だけが絶滅し、哺乳類のみならず鳥類(鳥類が恐竜から進化したとすれば、ある意味恐竜は生き残っているともいえますが・・・)、魚類、爬虫類や両生類、様々な種がこの巨大隕石落下の後も生き残っているのは何故か?という疑問が指摘されてきました。

これに対する、答ともいえる論文がBritish Royal Society(英国王立協会)のBiology Lettersに掲載されました。

Ontogenetic niche shifts in dinosaurs influenced size, diversity and extinction in terrestrial vertebrates(リンク)』

著者らは、数学モデルを用い、生まれた時のサイズが種の生存を左右する決め手となったことを証明したと言うのです。

簡単に言えば、何十トンもの巨大な恐竜でも、生まれる時には10キロにも満たない卵から生まれたと考えられます。つまり、1000倍以上も体重が増えるわけです。対して、象の場合は生まれた子供と親の体重差は22倍。
すると、成長過程の幼い恐竜達が他の種の成体と餌を奪い合う事になるわけです。対して、象の場合、小さい内は3~4年は授乳を受け、牛などの中型の哺乳類と競合する事はありません。

このような状態が続くと、生態系が巨大恐竜とその子ども達で占められてしまい、小型恐竜が繁栄する余地が無くなっていったと言うのです。すると、巨大隕石落下とその後の気候変動で、大型種が絶滅するような環境が続いた場合、恐竜という種そのものが絶滅。小型種が繁栄した哺乳類や鳥類がその後に繁栄したのではないかと推測しています。
 
なるほどって感じです。この説がこの後支持されるのか、はたまた反論が出てくるのか、今後が楽しみです。


タグ:恐竜
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北海道大好き人間

環境に適応できるかどうかで、その種が繁栄するか絶滅するのか紙一重ですね。

振り返ってトキですが、あんなに過保護にして増やすくらいならば「悪しき前例(歴史の教訓)」として、絶滅したままにした方が良かったのでは?と思います。

by 北海道大好き人間 (2012-04-26 13:10) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
繁栄し、特定の環境に適応すればするほど、環境の変化には脆くなるという面はありそうですよね。
まあトキの場合は、もはや意地というか、それそのものが産業となっている面もありそうですね^^;
by optimist (2012-04-27 22:08) 

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