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カンブリア紀の奇妙な海生動物「Cotyledion tylodes」は、クラゲの祖先?貝の祖先? [不思議な生き物・奇天烈生物紹介]

中国雲南省の澄江地区からは、約5億3千万年前、カンブリア紀のものと思われる化石が産出されます。エディァカラやバージェスと並ぶ、奇妙なカンブリア紀の生命の痕跡を残す貴重な資料です。
その化石群の中で、クラゲなどを含む刺胞動物門に属すると考えられていた瘤状杯形虫と呼ばれるCotyledion tylodesという生き物について、実は蠕虫や貝などの軟体動物の祖先ではないかとする論文が発表されていました。
科学誌「Scientific Reports」です。
A sclerite-bearing stem group entoproct from the early Cambrian and its implications』(Scientific Reports 3,Article number:1066 doi:10.1038/srep01066)

「Cotyledion tylodes」の種が特定されたのは1999年のこと。体長さ8~56ミリメートルの杯型の生き物なのですが、今回詳しく調べた所、茶碗型の上部には口と肛門が隣り合って付いており、体内のU字型の消化管でつながっていること、折り曲げることができる王冠状の触手に囲まれていることが分かったのだとか。
この構造は、海水を取り込んで食物となる小さな粒子をこし取る内肛動物である可能性を強く示唆するものだと主張されています。
であるならば、当初刺胞動物門に分類されたのは誤りで、蠕虫や貝類を含む冠輪動物の原始的な種類に分類される可能性が高まるのだとか。

このような原始的な生き物は、既存の分類の枠外となる存在である場合も多く、今後どう分類されていくのか分かりません。しかし、太古の海に生きていた生物について、調べ議論するのはとても楽しそうですw


タグ:化石
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コメント 2

北海道大好き人間

恐竜みたいな大型の動物ならともかく、5cmくらいの動物の化石がよく残っていたと思います。しかも「骨」というものがないので、発見されたのも奇跡と言えるかも知れません。

by 北海道大好き人間 (2013-01-20 11:27) 

optimist

北海道大好き人間さん、こんばんは。
エディァカラやバージェスなど、限られた場所でしか産出していないとはいえ、本当によく化石として残っていたものだと驚きますよね。
by optimist (2013-01-29 22:16) 

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