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企画展『深海探査と微化石の世界』 [一般公開・講演・特別展等紹介]

今日は、国立科学博物館の日本館1F北翼で開催中(~2月28日)の企画展『深海探査と微化石の世界』について、ご紹介します。
深海探査と微化石の世界#1.JPG
ところろで皆さん微化石ってご存知ですか?
化石と聞くと、恐竜の骨や、三葉虫などを想像する人が多いと思います。しかし大きさが数mm以下の化石もあるんです。というか産出量ではこっちの方が圧倒的に多い。これらは、主にプランクトンの化石です。というより、チャートとよばれる硬質の岩石は、ほとんどが放散虫や珪藻の殻で作られているそうです。

現在の生態系を考えても、肉眼では点にしか見えないプランクトンが底辺をささえていて、その数や種類は想像以上に豊富です。化石においても同様という訳ですね。
実際、動物性・植物性プランクトンを問わず殻を持つ種は、特に化石に残り易いそうです。例えば、放散虫や珪藻は珪酸質の殻を持ちますし、有孔虫などは石灰質の殻を持っています。

更に、産出量が豊富と言う事は、そこから多くの情報が得られます。まず、示準化石(その時代がいつ頃なのかを知る基準となる)化石として使えます。更に分布している種によって生息していた水温や塩分が異なるので、当時の環境を推測する示相化石としても有用です。

とまあ、有用な化石ではあるのですが、これを脇に置いておいても、微化石には価値があると思います。幾何学模様のような、不思議な形をした骨格は、多種多様。沢山の顕微鏡写真が壁一面に展示されていましたが、どれも美しく感動すら覚えます。
深海探査と微化石の世界#2.JPG
 
深海探査と微化石の世界#3.JPG深海探査と微化石の世界#4.JPG
深海探査と微化石の世界#5.JPG深海探査と微化石の世界#6.JPG

他にも、イギリス軍籍の海洋調査船HMSチャレンジャーが採取した海底の「泥」や、チャレンジャー船内のCG再現図が展示されていました。
そもそもは、「深海には化石でしか知られていないような生物が生き残っているかもしれない」という考えから「深海」の科学的探査が1872年から3年半にわたってHMSチャレンジャーにより行われたそうです。実際にはそんな生物は発見できなかったのですが、深海に降り積もった微化石達の神秘的な世界を発見し、それらから地球環境変動の歴史を紐解く方法を得られたという訳です。

他にも面白しろい所では、前述の美しい微化石達の模型や有孔虫の編みぐるみが展示され、編みぐるみは実際に手にとって観る事が出来ました(写真を撮り忘れていまいました・・・)。
深海探査と微化石の世界#ハプト藻.JPG深海探査と微化石の世界#放散虫.JPG深海探査と微化石の世界#珪藻.JPG
このような試みは、4歳児を連れて訪れている私のような者には、ありがたいです。息子はまだ漢字が読めないので、展示内容の説明は分かりませんが、触れる展示や網ぐるみなど親しみ易いアイテムがあると、ぐっと関心が強くなるようです。
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北海道大好き人間

深海では、プランクトンの死骸等が雪のように降る「マリンスノー」という現象があることが知られていますが、それらが化石になるのでしょうか?
by 北海道大好き人間 (2010-01-17 22:26) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
説明によると、降り積もったマリンスノーが微化石となるようです。

by optimist (2010-01-18 22:05) 

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