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南極隕石隊、快挙続々 貴重なユレーライト・鉄隕石発見 [科学系よもやま話]

今月下旬まで続く予定の51次南極観測隊の隕石探査は、これまでにもご紹介した事があります。
『隕石隊、セールロンダーネ山地の調査へ ヘリで輸送』
『南極隕石ラボラトリー』

続報がニュースになっていましたが、これまでに500個近い隕石を発見したそうです。その中には、これまでに集めた1万6千個を超える南極隕石中にも数十個程度しかない、貴重なユレイライト(Ureilite)も含まれていたんだとか。

因みに、これまでに発見されたユレイライトのスライス断面映像は、南極隕石ラボラトリーが公開している『南極隕石コレクション』でも見ることが出来ますよ(Asuka-88193,Yamato-791538)。
直リンク『Ureilite_Asuka-87272』※リンク切れしたらゴメンなさい。

ユレイライトは、エコンドライトの一種で、その成因に様々な説がある隕石です。最初に発見されたのは1886年帝政ロシアの頃、ノボ・ユレイ(Novo Urei)という所に落下しました。ユレイライトの名は、この落下地点に由来するものです。
その構造は、輝石やカンラン石の結晶の粒界の隙間を埋めるように炭素質物質がダイヤモンドやグラファイトとして存在する不思議なもので、この隙間部分には、希ガスを多く含む事も知られています。

輝石やカンラン石だけなら、地球上でもよくある橄欖石と同じような構造ですが、隙間にダイヤモンドが存在し、希ガスにも富んでいる事が、その成因を謎につつまれた物にしている所以です。一般に、高温高圧で生成するダイヤモンドですが、そんな環境下では希ガスはあっという間にとんでしまうと思われるからです。

そんな謎に包まれた、ユレイライト中のダイヤモンド形成過程については、明日詳しくご紹介しようと思います。
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