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New Herbig-Haro Jets in Orion [科学系よもやま話]

8月19日、すばる望遠鏡が、複数の形成初期段階の星で、噴出するジェットを発見したと報告されていました。
New Herbig-Haro Jets in Orion(リンク)』

リンク先の写真は、オリオン座大星雲の南にある星形成領域『Lynds 1641』。楕円内にあるのが、ジェットの噴出が観測された11個のハービック・ハロー天体(HH天体)です。ハービック・ハロー天体とは、新しく生まれた恒星に付随する星雲状の小領域で、若い星から放出されたガスが数百km/sの速度で周辺のガスや塵の雲と衝突して作られると考えられています。

恒星からのジェット噴出は、これまでも観測されていますが、もっと発生初期と考えられる星でみられる現象でした。ガスや塵の雲に包まれて、ようやく輝き始めたような、生まれたばかりの星です。今回の発見は、揺り篭の赤ちゃん星だけでなく、既にガスや塵の中から完全に姿を現した段階の星にもジェットガス流が観測されたという点で注目されるものだそうです。

今まで知られていたジェットガス流に比べて、今回発見されたかすかな11のガス流を捉える事ができたのは、すばる望遠鏡の主焦点広視野カメラ(Suprime―Cam)の広視野と、口径8mという大口径の主鏡の力によるものです。

リリースでは、今回発見されたジェットの起源について、2つの理論が挙げられていました。
1) 従来知られていた、もっと幼い星で観測される強いジェットガスの名残。
2) 今回発見された星は連星系で、伴星の影響で、星形成の残骸であるガスや塵が乱された結果、発生した。

発見されたばかりで、その起源はまだまだ不明ですが、今後の研究が楽しみです。
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北海道大好き人間

リンク先見てきましたが、太陽の黒点みたいにも見えますね。
ここはやはり、カラー画像がほしいところ…。
by 北海道大好き人間 (2010-09-03 23:00) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
太陽の黒点・・・確かに、判る気がします。
このような白黒写真にルーペを当てて、恒星や星雲を見る事が国立科学博物館の地下3Fで出来るのを思い出しました。
丁度、リンク先の写真のような雰囲気です。
by optimist (2010-09-06 21:54) 

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