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レアアースについて その6 [科学系よもやま話<レアアース,レアメタル>]

レアアースに関する話題も6回目、今回で一区切りとさせて頂きます。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございます。

最後にご紹介するのは、これまでも触れたブレイクスルーに関する研究です。安価にレアアースを抽出できる方法が確立されれば、一気にブレークスルーとなる。その一つの可能性をご紹介しようと思います。

それは、レアアースに限らず、レアメタル全般に関する物なのですが、従来と一線を画する斬新な方法が、理化学研究所植物科学研究センターで、研究されています。

その抽出方法とは、ヒョウタンゴケと呼ばれるコケの一種を使った物です。
実は、既に金を選択的に体内に取り込むヒョウタンゴケの原糸体を使い、金の抽出する事に成功しているんです。乾燥重量あたりおよそ10パーセントの金を貯えるヒョウタンゴケを使った物なのですが、現在、金以外のレアメタルを回収するため、ヒョウタンゴケの新たな品種開発を行っているそうです。
理研0001.JPG

この技術については、『サイエンスニュース(リンク)』でご覧になれます。
従来のアプローチとは大きく異なる物で、生物を利用するというのが面白いでしょう?
そうなれば、現在問題になっている、新興国での電子ゴミによる汚染対策としても期待できるかもしれません。

類似の技術としては、海藻類による海中の重金属の濃縮抽出なんてのもあります。その延長線には、自己増殖しながら、様々な資源を単離精製して排出してくれる生物なんてのも・・・。

まさにSFの世界ですね♪


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北海道大好き人間

コケ(植物)から金(鉱物)を抽出するなんて、考えにくいですね。
まあ、決していい喩えではないのですが、ある公害病の時に、その湾の魚介類から水銀が抽出(検出)されたことも同じような話になるのでしょうか?

by 北海道大好き人間 (2010-10-12 17:54) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
水俣病の場合、水銀が生物濃縮された訳ですが、水銀だろうが鉛だろうが、非選択的に蓄積され、たまたま水銀が多量に廃棄されていたので、有機水銀中毒を引き起こしたのが水俣病ですね。
コレに対し、ここで紹介した技術は、金なり鉛なりを選択的に抽出できる事、そしてその過程で植物は死なずに、ちゃんと成長していくという点が大きく異なります。
話は、逸れますが、中国の工業化に伴い、東シナ海の汚染やその上空の大気汚染は、これから深刻になる危険性があるのではないかと、心配しています。
by optimist (2010-10-12 22:41) 

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