あしたのごはんのために-田んぼから見える遺伝的多様性-(感想編) [一般公開・講演・特別展等紹介]
『生物多様性シリーズ2010(リンク)』と銘打たれて、開催されてきた国立科学博物館の展示も今回が最後です。
先日ご紹介したように、先月9月18日から『あしたのごはんのために-田んぼから見える遺伝的多様性-(リンク)』が開催されているので、先日の連休に家族で行ってきました。
この企画展は来年、2011年1月16日(日曜日)まで開催されていますので、まだまだ時間は十分余裕あり。
では、撮ってきた写真と共に、簡単な内容紹介をしようと思います。
まず、入り口を入ると、正面にはイネ、麦、トウモロコシの原種が展示され、初期農耕民の拡散について説明されています。
※写真はトウモロコシ
その奥は、農耕の破綻と再生の歴史についての展示です。
農耕は「その始まりが環境破壊の始まり」といわれるほど生態系を大きく変えてきた歴史があるそうです。農耕が引き起こした環境変化について、大阪の池島・福万寺遺跡から地層からみた農耕の歴史や、 小河墓遺跡(中国・新疆ウイグル自治区)の砂漠にある遺跡などが展示されています。
※大阪の池島・福万寺遺跡から地層
更に進むと、私たち日本の農耕についての説明です。
田んぼが、いくつか再現されています。国立科学博物館の入り口右手にも江戸時代と現代の田んぼが再現されていましたが、展示では、他にも西南アジアの麦畑が再現されていました。そして、田んぼで暮らす昆虫などの生物の多様性について、説明されています。
因みに、子供たちが食いついたのは、籾→籾殻,玄米→糠,白米と5個の器にそれぞれ展示され、触れる事ができたところ。私は祖父が農家だった(伯父が兼業農家として継いで居ます)ので、籾殻などは珍しくありませんが、息子達は初めて手に触れて楽しそうでした。
最後に遺伝的多様性の大切さを知るコーナーがあり、壁一面に4000個もの籾が印刷されていいました。この数は、1880年に栽培されていた稲の品種です(作付け面積が幾つ以上という記述がありましたが、ひかえてくるのを忘れてしまいました)。それが、2000年には160品種にまで減少しているんだそうです。
勿論、品種改良の成果なのですが、同時に遺伝的多様性を失っている側面があるんだそうです。更に、現在、栽培面積、生産量の多い品種は、コシヒカリを親に持つ品種が圧倒的に多く、最近の品種になるにつれ遺伝的多様性が減少して、コシヒカリの遺伝子ばかりが導入され、遺伝的多様性が失われているというんです。
なるほど、と思わされました。そんな発想が私の中に無かったからです。
そうそう、この多様な品種に因んで、『おもしろいイネを栽培しよう!』という企画で、ポット栽培用イネ『大黒』の種子(稲穂)を配布していました。
この大黒は、七福神のひとり「大黒さま」から名をとった品種だそうで、背丈が30センチ程度の小さなイネで、ポット栽培できるそうです。60日~90日くらいでイネの花をみることができるんだとか。一日につき先着100名に配布する予定だそうですが、この後は『香り米(恋ほのか)』(※こちらは精米)の配布が予定されていますので、何時まで『大黒』が配布されるのかは分かりません。気になるなら直接問い合わせて見てください。※もしかしたら既に配布終了しているかもしれません。
もし、栽培するとしたら、現在ほぼ休止中のサブブログ『楽観主義者の庭つくり』でご紹介しようと考えています。
今回『大黒』を頂いたので、次は、『恋ほのか』を貰って来たいと思います。この『恋ほのか』は、普通のお米と一緒に炊飯すると、ポップコーンのような香りがするそう。
10月中には配布を開始の予定で、合計約3000名分が準備されるそうですよ。
このブログで、色々紹介されていました。『大黒イネを育てよう!(リンク)』
来年バケツ栽培に挑戦する時には、参考になりそうです。
先日ご紹介したように、先月9月18日から『あしたのごはんのために-田んぼから見える遺伝的多様性-(リンク)』が開催されているので、先日の連休に家族で行ってきました。
この企画展は来年、2011年1月16日(日曜日)まで開催されていますので、まだまだ時間は十分余裕あり。
では、撮ってきた写真と共に、簡単な内容紹介をしようと思います。
まず、入り口を入ると、正面にはイネ、麦、トウモロコシの原種が展示され、初期農耕民の拡散について説明されています。
※写真はトウモロコシ
その奥は、農耕の破綻と再生の歴史についての展示です。
農耕は「その始まりが環境破壊の始まり」といわれるほど生態系を大きく変えてきた歴史があるそうです。農耕が引き起こした環境変化について、大阪の池島・福万寺遺跡から地層からみた農耕の歴史や、 小河墓遺跡(中国・新疆ウイグル自治区)の砂漠にある遺跡などが展示されています。
※大阪の池島・福万寺遺跡から地層
更に進むと、私たち日本の農耕についての説明です。
田んぼが、いくつか再現されています。国立科学博物館の入り口右手にも江戸時代と現代の田んぼが再現されていましたが、展示では、他にも西南アジアの麦畑が再現されていました。そして、田んぼで暮らす昆虫などの生物の多様性について、説明されています。
因みに、子供たちが食いついたのは、籾→籾殻,玄米→糠,白米と5個の器にそれぞれ展示され、触れる事ができたところ。私は祖父が農家だった(伯父が兼業農家として継いで居ます)ので、籾殻などは珍しくありませんが、息子達は初めて手に触れて楽しそうでした。
最後に遺伝的多様性の大切さを知るコーナーがあり、壁一面に4000個もの籾が印刷されていいました。この数は、1880年に栽培されていた稲の品種です(作付け面積が幾つ以上という記述がありましたが、ひかえてくるのを忘れてしまいました)。それが、2000年には160品種にまで減少しているんだそうです。
勿論、品種改良の成果なのですが、同時に遺伝的多様性を失っている側面があるんだそうです。更に、現在、栽培面積、生産量の多い品種は、コシヒカリを親に持つ品種が圧倒的に多く、最近の品種になるにつれ遺伝的多様性が減少して、コシヒカリの遺伝子ばかりが導入され、遺伝的多様性が失われているというんです。
なるほど、と思わされました。そんな発想が私の中に無かったからです。
そうそう、この多様な品種に因んで、『おもしろいイネを栽培しよう!』という企画で、ポット栽培用イネ『大黒』の種子(稲穂)を配布していました。
この大黒は、七福神のひとり「大黒さま」から名をとった品種だそうで、背丈が30センチ程度の小さなイネで、ポット栽培できるそうです。60日~90日くらいでイネの花をみることができるんだとか。一日につき先着100名に配布する予定だそうですが、この後は『香り米(恋ほのか)』(※こちらは精米)の配布が予定されていますので、何時まで『大黒』が配布されるのかは分かりません。気になるなら直接問い合わせて見てください。※もしかしたら既に配布終了しているかもしれません。
もし、栽培するとしたら、現在ほぼ休止中のサブブログ『楽観主義者の庭つくり』でご紹介しようと考えています。
今回『大黒』を頂いたので、次は、『恋ほのか』を貰って来たいと思います。この『恋ほのか』は、普通のお米と一緒に炊飯すると、ポップコーンのような香りがするそう。
10月中には配布を開始の予定で、合計約3000名分が準備されるそうですよ。
このブログで、色々紹介されていました。『大黒イネを育てよう!(リンク)』
来年バケツ栽培に挑戦する時には、参考になりそうです。
言われてみれば、玄米や糠はスーパーで売っていますが、籾殻や籾殻つきのお米は売っていませんから、珍しがっても不思議ではないでしょう。
ましてや、大都市では水田さえも珍しいでしょうから。
コメの銘柄は、確かにコシヒカリやあきたこまちが多いですね。ササニシキなんて、今はあまり聞かなくなりました。
by 北海道大好き人間 (2010-10-17 22:39)
北海道大好き人間 さん、こんばんは。
田んぼは、我が家の周囲にもありますが、籾や籾殻を直接触れたのは、初めてだと思います。
そうそう、折角頂いたので、大黒を使って来年バケツ栽培に挑戦しようと思ってます。
by optimist (2010-10-19 22:23)