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RIKEN Science Seminar IV 『1千分の2秒のいのち』 [一般公開・講演・特別展等紹介]

先日特別編を紹介した、独立行政法人 理化学研究所による無料の公開セミナー『理研サイエンスセミナー』。今回は、第4回の募集開始のお知らせです。

毎回、一流の科学者と文化人、そして参加者が身近に触れ合い、科学する心を紐解く『理研サイエンスセミナー』。主催者としては、科学に興味はあるけれども、どうやってその世界に踏み込んだらいいのかわからないという知的好奇心旺盛な方々のための、新しいかたちのトークセッションシリーズとして開催しているそうです。

今回(東京/六本木会場)は、大河ドラマ『龍馬伝』で有名な人気脚本家、福田靖氏と、理化学研究所 仁科加速器研究センター 森田超重元素研究室の森田 浩介准主任研究員の対談です。
1千分の2秒のいのち ~BiとZnから生まれた113番~(pdfファイル)』

開催日は、2011年3月18日(金)19:00~20:30(会場は18:00)です。
会場は、六本木アカデミーヒルズ49 スカイスタジオ。今回も事前申し込み制で、先着順で120名の募集です。
※申し込み受付は、本日(2011年2月10日)9:00から。締め切りは3月14日(月)となっています。
 
タイトルの『1千分の2秒のいのち ~BiとZnから生まれた113番~』とは、先日の『「超新星爆発の元素合成は想像以上に速い」証拠をつかむ』でもとりあげた、放射性同位元素(RI)に因んだものです。

私たち住む世界を構成している元素は、宇宙の進化の中で誕生したものですが、生まれてきた全ての元素が、今も存在しているわけではありません。誕生した元素は、安定核種として永遠の命を獲得するものの他に、すぐに崩壊してしまう、はかない命の元素が、数多く存在していたんです。

森田准主任研究員は、2004年に、原子番号83のビスマス(209Bi)と原子番号30の亜鉛(70Zn)の衝突により、原子番号113 質量数278の113番元素原子核を合成、その存在をつきとめました。
理化学研究所プレスリリース(2004年)『新発見の113番元素(リンク)』

合成された、原子核は、この世に生まれた瞬間、連続した4回のα崩壊とそれに引き続く自発核分裂によって崩壊しました。113番元素が存在していたのは、たったの1千分の2秒だったんです。
因みに、この一連の崩壊を観測することで、原子番号113質量数278の113番元素の原子核だという証明がされています。

そして、たった1千分の2秒の命だった113番元素、それをたった1個作るために、1秒間に2.5兆個の亜鉛ビームを標的のビスマスに80日間照射し続けたそうです。
つまり、約100兆回の衝突を行わせ、ようやく合成し確認することができた113番元素は、たった1個。それも1千分の2秒の命・・・なんだか凄い世界ですよね。

このような元素誕生とこの世の始まりのドラマ、そしてそれを追い続ける研究者自身に秘められたドラマに、脚本家の福田靖さんがどのように迫るのか、楽しみです。

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北海道大好き人間

この儚すぎる命の元素にも、一人前の名前をつけて欲しいですね。
リンク先にある元素の周期表を見ましたが、忘れてしまった元素名ばかりです(>_<)。

by 北海道大好き人間 (2011-02-10 14:49) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
元素名は、陽子の数毎に名前が付けられますが、この113番元素を初めとする超ウラン元素になると、まだ名前がきめられていない物があります。
ウンウントリウムが暫定的な呼称ですが、もしかしたら理化学研究所で命名されるかもしれない元素です。
ジャポニウム(Jp)なんて名前になるかもしれないと聞きます。その時が楽しみですね。
by optimist (2011-02-15 22:25) 

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