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ゴエモンコシオリエビ [不思議な生き物・奇天烈生物紹介]

ゴエモンコシオリエビ(学名:Shinkaia crosnieri)は、1亜科1属1種という変わった甲殻類の一種です。つまりこの種の為だけに属どころか亜科まで新設されたんです。

深海の熱水噴出孔の近くに生息している事から、釜茹でにされた石川五右衛門に因んでゴエモンの名前をつかられました。勿論、熱水の噴出部に居るわけじゃないので、茹で死んだりはしませんよ^^;

その尾が、腰の部分から腹側に折れ曲がっているので、コシオリエビと呼ばれるコシオリエビ上科に属し、その名がゴエモンコシオリエビという訳です。カッコいい名前なんだか情けない名前なんだか、ちょっと微妙・・・。
goemonkosiorigani.jpg

腰が内側に折れ曲がっているので、その外観はカニのようです。全身真っ白で、その姿は同じく深海で見られるユノハナガニを毛深くしたような感じ。でも、名前にエビとあるように、エビの仲間・・・と思いきやそうではありません。分類上は、カニの仲間でもエビの仲間でもなく、ヤドカリと同じ甲殻亜門 軟甲綱 真軟甲亜綱 十脚目 異尾下目に属します。
ユノハナガニ2.JPG
※こちらは、新江ノ島水族館のユノハナガニ

沖縄トラフの熱水噴出孔で大量に発見されましたが、自分の餌を養殖をしているのではないかと推測される点も、面白い生き物です。
 
ゴエモンコシオリエビは、腹側に生えた剛毛についたイプシロン亜綱に属する繊維状のバクテリアを食べて生きていると推測されています。それも、単に自分の腹の上で繁殖しているってだけでなく、積極的に腹部でバクテリアを養殖してると思われるんです。

採取されたゴエモンコシオリエビを2時間アンピシリンによる薬浴+ブラッシングによって、片側の腹側剛毛に付着するバクテリアを除去してから、生きたまま放流ネットに入れた物と、頭胸甲を切除した死亡個体について、バクテリアの再付着量を比較した所、明らかに「活きた個体」の方に多くバクテリアが付着していたと言うのです。

つまり、積極的にバクテリアが繁殖し易い環境を提供している可能性が高いという訳。

まだまだ、不明な点が多い種ではありますが、自分の餌を養殖しているなんて面白いですね。今後、更にその生態が明らかになるのが楽しみです♪

参考文献:ブルーアース’06 プログラム しんかいシンポジウム一般講演より
沖縄トラフ熱水域に生息するゴエモンコシオリエビの外部共生細菌と摂餌様式に関する研究(pdfファイル)』

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北海道大好き人間

深海には、まだまだ未発見の生物がいそうですね。

by 北海道大好き人間 (2011-03-09 00:58) 

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