SSブログ

空気中の放射性元素の濃度と気象条件 [科学系よもやま話]

福島第一原発の事故から一ヶ月が経ちましたが、事態の収束時期すら見えませんね。

放射性元素が放出された事は確実で、セシウム134やセシウム137なども検出されています。これらの核種は、原子炉から放出されたか使用済み核燃料から出てきたと断定できますので、遮蔽が行われるまでは、今後も漏洩の危険が否定できないのが怖いところです。

無意味に危険を煽る気は、毛頭ありませんが、タイムリーに情報を提供するという事は、事態を混乱させない一番の方法だと信じています。その点、政府や東電の対応に不満が残る気がします。安全性を訴えるなら、それなりの情報(仮に一見危険性を示すような物であっても)と共に出して欲しいものです。

さて、巷で放射性物質の飛散状況が、なかなか公開されない事への不満とか、気象庁が公開したデータが探せないという不満と共に、ドイツの気象局はトップページにリンクがあるという話も・・・。で、これがそのサイト。
Weather and migration conditions inJapan(リンク)』
分かりやすいですね^^;信頼性は各自評価するとして、今日はあまり気にしなくて良さそうだとか、外出は控えようとか判断する材料には十分なりそうです。
 確かに、風向きと天気(雨が降っているか)で、空気中の放射性元素量に大きな差が見られます。

例えば、つくば市にある高エネルギー加速器研究機構では、空気中の放射性元素の濃度を測定し、結果を公表しています。
KEK 環境放射線の測定結果(リンク)』
ここは、福島第一原子力発電所から南西に165kmに位置しているのですが、空気中の放射性元素の値が急激に増えたのは3月15日と3月20日から22日にかけてです(下図及び表参照)。
表.jpg
グラフ.jpg
つくば市の天気を見ると、見事に3月15日が北東の風4m、3月21日から23日にかけて北東の風が(7m,3m,6m)。特に3月21日には唯一降雨が記録されていましたが、この時にセシウム134が検出されています。

つまり、原発方向から風が吹き、且つ雨が降るとき、放射性元素が大量に落ちてくるのが、実際に観測されているんです。

また、内閣府の発表にある、『緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算結果(リンク)』を見ると、被爆量が多いと判断される地域が福島原発の北西部にある事、西は少ないのに南西方向へは汚染が広がっていると思われるのも、爆発当時の風向き(南東)と雨が降っていた21日の風向き(北東)の影響が大きいからじゃないかな~。

ところで、原子力安全・保安院からの発表で、今回福島第一原発事故が(暫定)レベル7に相当とされました。
東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故・トラブルに対するINESの適用について(リンク)』
4月5日までに大気に漏れ出した放射性物質量は、チェルノブイリ事故の1割程度と記されていますが、ヨウ素が15×10の16乗ベクレル、放射性セシウムが1.2×10の16乗ベクレルという値も目にしますが、本当かな?

いずれにしてもセシウム134は完全に原発からの物ですね・・・。速やかに遮蔽され、外部への漏洩が無くなる事を期待します。




nice!(5)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 5

コメント 3

hokkaidou

御無沙汰しております。
今後日本はどうなっていくのでしょう…
by hokkaidou (2011-04-13 09:10) 

北海道大好き人間

やはりレベル7まで来てしまいました。
政府も東電も、対策に必死なのはわかりますが、大本営発表的なことはしないで欲しいと思います。
危険なら「危険だ」と即座に発表した方が、後々のためになると思うのですが…。

by 北海道大好き人間 (2011-04-13 10:15) 

optimist

hokkaidou さん、こんばんは。
当分は、色々気を揉みそうな感じですね・・・。
被災地の方の生活を含め、一日も早く、平静を取り戻せることを、祈るばかりです。

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
情報の公開方法、その後の説明の仕方、そして危機管理という点で、非常に考えさせられる事象であったと思います。
by optimist (2011-04-20 22:16) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。