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指の本数 [科学系よもやま話<生命の起源・進化>]

突然変異などを除いても、動物の手足の指の本数って、様々なのをご存知ですか?

有名なのは、偶蹄目の牛、キリン、ラクダなどの足の指(蹄)は2本なのに対し、奇蹄目の馬は1本です。牛などは第三趾・第四趾が発達し残りの指が退化、馬は第三趾のみが発達して残りの指が退化したと考えられています。
また、二蹄目、一蹄目でなく、偶奇という表現を使っている事からも分かるように、偶蹄目には4本指のシカや猪(共に蹄になった第三趾・第四趾に加え、小さな第二趾・第五趾を有する)や、カバ科も含まれます。本数は違えど、肢軸が第三趾と第四趾の間を通っている点が共通しているんです。
奇蹄目だと3本指のサイ科や前肢4本後肢3本のバク科もいます。奇蹄目といいながら、バクの前肢は4本指なんですよ(因みに、なぜ偶蹄目でなく奇蹄目かと言えば、肢軸が第三趾を通っているから)。

これらの動物たちは、『か節目』と呼ばれる蹄を持つ動物の祖先から連なると考えられています。基は前後とも5趾だったものが、各趾が発達・退化する事で、その本数を変化させていったんだとか。

ところで、蹄が無い動物も、指の数は様々です。
ハムスターやリスなどは、前肢4本後肢5本で、手足で指の数が異なります。更に鶏は前肢3本(といっても羽ですが)後肢4本。両生類のカエルの指は前4本、後ろ5本です。

こうして見ると、どの生き物も指は5本以下だという事に気がつきます。
進化の過程で6本以上の生き物が残らなかったのは、それだけの数は、必要無いからなのかもしれませんね。

因みにパンダは6本指と言われますが、5本指に加えてこぶが1本という構成で、6本目には指の骨が無いんです。つまり一見6本指に見えるけど、解剖学的には5本指ってわけ。

ところで、6本指以上の生き物は存在できないのか?と言えば、そんな事はありません。実際にごく初期の魚類型両生類では6本以上の指がある化石が発見されています。これらについては、また次回ご紹介しようと思います。

※参考 『札幌丸山動物園(リンク)』のアニマルカードから、『有蹄類の解説(pdfファイル)』

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タグ:指の本数
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コメント 2

北海道大好き人間

馬は、人間の足でいう中指だけが劇的に進化し、今はその中指だけで「爪先立ち」していることや、脚の後ろ側に一対の突起がありますが、それが退化した指の痕だということを聞いたことがあります。

6本以上の指を持った化石の記事、楽しみにしています。

by 北海道大好き人間 (2011-06-13 08:35) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
すっかり返信コメントが遅くなってしまいましたが、イクチオステガとアカントステガの話は、いかがでしたでしょうか?
by optimist (2011-06-20 22:22) 

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