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固体核磁気共鳴(NMR)量子コンピューターの新しい操作原理を発見 [科学系よもやま話<新薬・新技術>]

今日は、独立行政法人 物質・材料研究機構の発表をご紹介します。
固体核磁気共鳴(NMR)量子コンピューターの新しい操作原理を発見(リンク)』

物質・材料研究機構 極限計測ユニット 強磁場NMRグループが、強磁場共用ステーションの設備および独自に開発した装置を用い、『固体核磁気共鳴(NMR)量子コンピュータ』の新しい操作原理を発見したというのです。

この研究成果は、英オンライン科学雑誌『Nature Communications(リンク)』で公開されています。
Optical switching of nuclear spin–spin couplings in semiconductors(リンク)』
『固体核磁気共鳴(NMR)量子コンピュータ』は、未来のコンピュータと期待される『量子コンピュータ』の有力候補の1つ。そもそも量子コンピュータとは、従来の0と1で計算処理を行うコンピューターと異なり、量子力学を基礎にした重ね合わせ(スーパーポジション)の原理を用いる事によって、0と1だけでなく、それらが重ね合った状態も含めて情報処理を行うものです。

難しい話は割愛すると、要は現在と比べて、とんでもなく処理能力の高いコンピュータができることが期待されているんです。これまでは、事実上解けないような問題も解くことが可能になるかもしれないんですね。

この夢のコンピュータ、量子コンピュータは、これまでに核磁気共鳴(NMR)、量子光学、量子ドット、超伝導素子、レーザー冷却などで実現させる研究が行われていて、その中でも固体NMR量子コンピュータは、固体(主として半導体)中の原子核スピンで量子ビットを構成する方式で、現在、最も有望な「大規模」量子コンピュータ方式の1つと見なされているんだそうです。

しかし、その実現にあたっては、量子ビット間の情報伝達を担う「核スピン間相互作用」を操作する手法の開発が必要不可欠。
それが、この研究で、半導体中の核スピン間相互作用が、光のオン・オフという単純な方法で操作できることが分ったという事で、固体NMR量子コンピュータの実現にまた一歩近づいたわけです。

実際に量子コンピュータが活躍する時代が来るのが待ち遠しいですね。
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コメント 4

アヨアン・イゴカー

量子コンピュータ、面白そうですね。
量子コンピュータは2進法を基にして、それをより効率的に運用する方法なのでしょうか?
昔からの疑問なのですが、コンピュータは電気的にはon/offしかないので0と1にならざるを得ないけれども、実際には2進法以上(例えば10進法)の物の方が、より大きな数字を短時間で扱えるということなのでしょうか?
by アヨアン・イゴカー (2011-07-09 15:45) 

北海道大好き人間

これが家庭やオフィスのPCにも普及するといいですね。

そういえば、妹や弟が通った工業高校では二進法や四進法を勉強するみたいですが、私が通った普通高校ではそんなこと習いませんでした。

by 北海道大好き人間 (2011-07-09 15:58) 

北海道大好き人間

訂正。
四進法ではなく五進法です。

by 北海道大好き人間 (2011-07-10 15:28) 

optimist

アヨアン・イゴカー さん、こんばんは。
同じ素子の数なら、並列処理できるので、圧倒的に早い計算速度を持つことができるようです。
しかし、、より大きい計算速度を持つのかは結論を見ていないのだとか。

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
2進数は私も使いましたが、5進数まで使うんですか~。
by optimist (2011-07-11 23:17) 

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