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3万年前の花が咲く [科学系よもやま話]

ロシア科学アカデミーの研究チームが、シベリアの永久凍土から発掘した、3万年前の種を試験管内で発芽させる事に成功したそうです。

PNAS(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of AMERICA:米科学アカデミー紀要)で発表された論文が、こちらです。
Regeneration of whole fertile plants from 30,000-y-old fruit tissue buried in Siberian permafrost(リンク)』(PNAS 2012 ; doi:10.1073/pnas.1118386109 )

植物の種子が、長い時を経て発芽し、新たに命を紡ぐ・・・そんな例を我々は数多く知っています。
日本でも、天然記念物に指定されている行田蓮のように、1400年以上前の蓮の種が開花した例が知られています。(※古代蓮の里 “古代蓮会館”ホームページ『行田蓮(古代蓮)(リンク)』)

他にも、古代イスラエルのマサダ要塞都市遺跡で発掘された、2000年前のものと見られるナツメヤシの種が芽を出した例や、トルコのキュタフヤ・セイトオメル遺跡で発掘された4000年前のものと見られる種が発芽した例もあるようです。

しかし、それにしても今回の例は桁違いです。放射性炭素年代法により、31800年前の種だという結果が得られたと言うのです。シベリアの永久凍土という理想的な保存環境に置かれていた事が幸いしたのでしょう。

3万年前と言えば、まだ石器時代。
マンモスやサーベルタイガー(剣歯虎)が闊歩し、はたまたメガテリウム(巨大ナマケモノ)やグリプトドン(巨大アルマジロ)が生きていた時代です。

まさに、『映画ドラえもん のび太と奇跡の島 ~アニマル アドベンチャー~』に登場する生き物たちが生きていた時代の種が、現代に芽吹くなんて、不思議な感じですね。
※最近、子どもがドラえもんを見ているので、『映画ドラえもん のび太と奇跡の島 ~アニマル アドベンチャー~』の告知を頻繁に目にします^^;



タグ:シベリア
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コメント 4

般若坊

植物の種子はまさにタイムカプセルですね。3万年の時空を超えて現代に芽を出す・・・なんか荘厳なものを感じます。動物では無理ですね・・・
by 般若坊 (2012-02-21 22:42) 

optimist

般若坊 さん、こんばんは。
動物の場合も、シベリアの凍土に閉じ込められたマンモスの細胞を使って、マンモス復活を・・・なんて研究もおこなわれています。
また、クマムシやネムリユスリカのように何十年も休眠状態になって、再び活動する物も居ます。
しかし、本来備わっている力で長い時を超えるというのは、植物の方が勝っているのは確かですね。
by optimist (2012-02-21 22:48) 

北海道大好き人間

この地層から、他にどんな動植物の化石が出土したのか興味があります。

あと、これとは直接関係ないのですが、新聞社のWEB版も有料になりつつありますね。まあ、紙の新聞の発行部数が減っている分を挽回したいという思惑もあるのでしょうけれど。

by 北海道大好き人間 (2012-02-21 22:52) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
正確には、地層からというより、小動物が掘って隠したと思われる種子を発見したのだそうです。
ところで、新聞のWeb版を有料にするのは結構ですが、お金を取るだけの優良な記事にしないとなかなか購読者は増えないかもしれませんね。
by optimist (2012-02-24 00:32) 

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