軟体動物の先祖?バージェス頁岩化石OdontogriphusとWiwaxia [科学系よもやま話]
バージェス頁岩動物群と呼ばれるカンブリア紀中期の化石を調べた研究成果が、ニュースになっていました。
紹介されているのは、OdontogriphusとWiwaxiaの化石を調べた論文で、「英国王立協会紀要」に掲載されたものです。
『Mouthparts of the Burgess Shale fossils Odontogriphus and Wiwaxia:implications for the ancestral molluscan radula(リンク)』(doi: 10.1098/rspb.2012.1577 )
Odontogriphusは、ギリシャ語で「歯を持った謎」を意味するそうで、体長15センチほどに成長するナメクジに似た姿の生物。一方Wiwaxiaは、体長1ミリから5センチほどの大きさで、写真のように、とげやうろこに覆われた姿をしていたそうです。
Wiwaxia(カナダのロイヤルオンタリオ博物館収蔵の化石(右)と、ベルギー王立自然史博物館の生態復元模型(左)※(From Wikipedia, the free encyclopedia)
論文では、これらの化石を最新の電子顕微鏡を用いその口を詳細に分析た結果、現代の軟体動物と共通するベルトコンベヤーのように動く歯列を持っていたと考えられると結論付けています。
このような口は、現代のほぼ全ての軟体動物に見られる摂食器官『歯舌』によく似ている事から、OdontogriphusとWiwaxiaは、初期の軟体動物に疑いないと言うのです。
彼らが、現生する軟体動物の直接の先祖なのか?はたまた、そもそも軟体動物では無いのか?今後どう学者達が判断するかは、分かりませんが、先進の分析機器によって、これまで得られなかった知見が得られるのは間違いありません。
不思議な姿を持つ、バージェス頁岩動物群についての新たな研究成果が待ち遠しい限りです。
紹介されているのは、OdontogriphusとWiwaxiaの化石を調べた論文で、「英国王立協会紀要」に掲載されたものです。
『Mouthparts of the Burgess Shale fossils Odontogriphus and Wiwaxia:implications for the ancestral molluscan radula(リンク)』(doi: 10.1098/rspb.2012.1577 )
Odontogriphusは、ギリシャ語で「歯を持った謎」を意味するそうで、体長15センチほどに成長するナメクジに似た姿の生物。一方Wiwaxiaは、体長1ミリから5センチほどの大きさで、写真のように、とげやうろこに覆われた姿をしていたそうです。
Wiwaxia(カナダのロイヤルオンタリオ博物館収蔵の化石(右)と、ベルギー王立自然史博物館の生態復元模型(左)※(From Wikipedia, the free encyclopedia)
論文では、これらの化石を最新の電子顕微鏡を用いその口を詳細に分析た結果、現代の軟体動物と共通するベルトコンベヤーのように動く歯列を持っていたと考えられると結論付けています。
このような口は、現代のほぼ全ての軟体動物に見られる摂食器官『歯舌』によく似ている事から、OdontogriphusとWiwaxiaは、初期の軟体動物に疑いないと言うのです。
彼らが、現生する軟体動物の直接の先祖なのか?はたまた、そもそも軟体動物では無いのか?今後どう学者達が判断するかは、分かりませんが、先進の分析機器によって、これまで得られなかった知見が得られるのは間違いありません。
不思議な姿を持つ、バージェス頁岩動物群についての新たな研究成果が待ち遠しい限りです。
カンブリア紀からの生命のながれ・古代生物シリーズウィワクシア Wiwaxia サイズ:L20cm(メール... |
タグ:バージェス頁岩動物群
今後の分析が楽しみですね。
いつも思うのですが、無脊椎動物(昆虫類も含む)の化石がいい保存状態で残っているのが不思議です。
by 北海道大好き人間 (2012-08-27 22:46)
北海道大好き人間 さん、こんばんは。
昆虫の場合は、まだ固い外骨格があるので良いですが、軟体部が化石になる事は確かに稀ですよね。
バージェス頁岩動物群は、嫌気性の高い粘土状態で急速に化石となったらしく、軟体部がよく保存されている特殊な例なんだそうですよ。
by optimist (2012-08-28 22:29)