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LIGO-Virgo 重力波信号の直接観測に成功 [科学系よもやま話]

先週末に公式に発表された 国際研究チーム「LIGO」が、世界で初めて重力波の直接観測に成功したというニュース。以前より関係者からは観測したと伝えられていましたが、やはり成功していたようですね。

重力波は、かのアインシュタインが存在を予言し、世界中のチームがその正体をとらえるために競い合っていました。日本では大型低温重力波望遠鏡「KAGRA(かぐら)」がまもなく本格的に始動する所だったのですが、一足早く9月14日に重力波を検出したと発表されました。

日本のKAGRAは東京大宇宙線研究所などのチームが、カミオカンデ同様、岐阜県飛騨市の神岡鉱山跡の地下に作った施設で、基本的な検出原理は今回のLIGOと同じです。※KAGRAについては、『KAGRA(大型低温重力波望遠鏡)(リンク)』の公式サイトをご覧ください。
その検出方法は、レーザー源からの光を直角方向に二つに分け、それぞれ3キロ先の鏡で反射させて、戻ってきた光を重ね合わせるというもの。重なった光に変化があれば、時空のゆがみによって光源と鏡の間の距離がずれた、つまり重力波をとらえたとみなせるという訳です。

今回の報告は「KAGRA」の物ではありませんが、LIGOが持つ米国内の2基の検出器で検出されたそうです。最初に米国ルイジアナ州リビングストンで、その7ミリ秒後にとワシントン州ハンフォードの検出器で検出されたことで、測定間違いではなく実際の重力波を観測したと言うのです。

理論でしかなかった重力波が実際に検出可能という事になれば、今後の天文学に大きな可能性が広がる訳で、嬉しいニュースです。まあ、世界初検出には加われなかった物の、今回の報告が正しいとすれば、日本のKAGRAでも重力波検出が可能な事が証明されたわけです。

欧州も含め世界中の重力波検出器(望遠鏡)を使った重力場観察による新たな天文学の新時代が開かれるかもしれません。重力波で宇宙を見ることは、人類が初めて赤外線やX線やマイクロ波の目で宇宙を見たときに匹敵する画期的な出来事と言えるでしょう。
観測に重力波を用いるようになれば、天文学者が宇宙をより遠くまで見渡すことを可能になります。今後の新たな発見に期待しましょう。
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コメント 1

北海道大好き人間

アインシュタインが相対性理論から重力波の存在を唱え始めて1世紀あまり、いよいよその存在が証明されたわけですね。
この先の宇宙開発においても重要な部分を占めるのではないでしょうか。

by 北海道大好き人間 (2016-02-15 13:23) 

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