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土星にもう一つ超巨大な輪 NASA宇宙望遠鏡で発見 [科学系よもやま話]

『土星にもう一つ超巨大な輪 NASA宇宙望遠鏡で発見(2009年10月8日14時12分 asahi.com)』

赤外線観測で発見された土星の輪のはるか外側の超巨大な輪。土星の衛星の成り立ちを解明する鍵になるかもしれないというコメントが掲載されていますが、どういう事なのでしょう?

発見された輪は、ほぼ衛星フェーベ(Phoebe)に沿う形に広がっているます。このフェーベは、その内側を廻る衛星、イアペトゥス(Iapetus)やヒペリオン(Hyperion)の暗い表面の原因ではないかと疑われていたそうです(異論もあり)。
今回、輪はフェーベから飛ばされた(暗い)岩石の塵で構成されていると推測しているようです。つまり、これらの塵がイアペトゥスやヒペリオンの表面の暗い部分の原因だとする説を支持する材料になりそうです。

少し分かり難いので、捕捉すると、土星の衛星は氷に覆われたものが多く、明るいんです。でもヒペリオンは、氷の衛星だと考えられていますが、煤けたように暗いんです。また、イアペトゥスは氷の衛星で明るいのですが、半分は煤がかかった様に黒く非常に暗いという変な衛星です。

そして、これらの衛星の暗部生成のメカニズムについては、衛星フェーベから飛来したものであるという説があります。フェーベは、真っ黒な岩石からなる衛星なんです。そのため、この衛星に衝突物があった際に吹き上げた塵がイアペトゥスなどに付着して黒く見えるという説です。
他に、例えばイアペトゥス場合は、内部から噴き出してきたものであるという説などがあります。

今回の輪は、フェーベからのカスが宇宙空間に広がっている可能性が高い事を示していますから、フェーベ由来説の有力な証拠と言う訳です。

余談ですが、ヒペリオン(Hyperion)は、別の読み方をした方がご存知の方が多い気がします。ハイペリオン、或いはヒュペリーオーンとも呼ばれます。
田中芳樹のSF大作『銀河英雄伝説』で、ヤン・ウェンリーの旗艦であった『ヒューベリオン』、或いはサラブレッドの血統を齧った人なら誰でも知っているであろう名馬『ハイペリオン』はどちらも、このギリシア神話におけるティタン(巨人族タイタン)『Hyperion』に由来します。

因みにフェーベ(Phoebe)も狩りと月の処女神アルテミスの別名なんですよ。



タグ:土星
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コメント 2

北海道大好き人間

要するに、土星の輪が二重になっていることが発見されたということでいいのでしょうか?
確か今は、土星の輪は「消滅」しているように見えるんでしたよね?

あと、衛星やギリシャ神話の神々の名前は、英語読みかギリシャ語読みかはたまたラテン語読みかで変わってきますね。
F1レーサーの「ミハエル・シューマッハ」も「ミヒャエル・シューマック」等と読む人もいますから。
参考リンク
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%8F%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%8F#.E4.BA.BA.E7.89.A9.E3.83.BB.E3.82.A8.E3.83.94.E3.82.BD.E3.83.BC.E3.83.89
by 北海道大好き人間 (2009-10-09 18:22) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
二重というより、良く知っている土星の輪より、遥かに外側に肉眼では見えない塵で出来た輪が存在するのが、発見されたって事らしいです。

読み方ですが、詰まるところ、日本語と違ってローマ字を使って様々に発音する言語があるんで混乱するんでしょうね。
by optimist (2009-10-09 22:37) 

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