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販促グッズ [科学系よもやま話]

先日、とある展示会に行った時の事・・・。アンケートに答えるとマウスパッドを頂いきました。ここまでは、よくある話ですが、図案が周期表なのが目を引きました。

この歳になると、化学系の仕事をしていても周期表を目にする機会がそれ程ありません。いや、正確には特定の族や周期表の一部について抜粋されてしまい、大きな周期表として目にする事がないのかな。

見ると、Darmstadtium(ダームスタチウム)だのRoentgenium(レントゲニウム)という名前が書いてあります。どちらも私が学生の時には無かった名・・・。そう、周期表に記載される元素名は、だんだん増えているんです(まあ、87番以降の元素なんて、化学専攻でも放射化学とか特定の分野以外で覚えてる人もそういないから、関係ないって気もしますが・・・)。この二つは5年前(1994年)に正式に登録名が決まった元素。

そして、恐らく来年1月には、現在仮に『ウンウンビウム』となっている112番元素名として、『Copernicium』が正式にIUPAC(国際純正応用化学連合)により登録されるはず。今年の7月に、112番元素を最初に発見したとIUPACに認められた研究チームのSigurd Hofman教授が、名称をコペルニクスに因んでCoperniciumとすることで意見が一致したと発表したからです。通常、半年以内にIUPACが正式な元素名を決定するので、もうすぐ正式登録ってわけです。
 
因みに発見といっても、鉱物から抽出なんて時代ではありません。昔は未知の鉱物に含まれる元素として発見という事もありましたが、現代では新元素=核物理学の産物です。つまり、粒子加速器を使って原子核や原子をドッカン!と衝突させて作るです。そして、折角作った新元素も半減期が極端に短く(数秒とかね)、あっという間に無くなってしまうので、一般の人が考える元素とはかなりかけ離れたイメージです。

そうそう、仮名のつけ方も取り決めがあります。それは、ラテン語やギリシャ語系の数詞を組み合せた物です。
  0:ニル(nil)
  1:ウン(un)
  2:ビ(bi)
  3:トリ(tri)
  4:クアド(quad)
  5:ペント(pent)
  6:ヘクス(hex)
  7:セプト(sept)
  8:オクト(oct)
  9:エン(enn)
つまり、112番元素はun(1)+un(1)+bi(2)+iumだから重なるiを省略してununbiumって感じ。単純でしょ?まあ、なんだか呪文みたいですけどね^^;

化学では、ラテン語とかギリシャ語の数詞って結構登場します。まあ、脱線しまくって長文になってしまったので、この先は、またの機会に致します。
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コメント 2

北海道大好き人間

5:ペント(pent)はペンタゴン(五角形)の、6:ヘクス(hex)は、テレビ番組のヘキサゴン(六角形)の元になった言語ですね。
7:セプト(sept)と8:オクト(oct)は、9月(September)と10月(October)の元になったのですが、詳細はウィキに載っているので省略します。なお、タコを英語で(octpus)というのもこれに由来しています。

by 北海道大好き人間 (2009-12-18 19:24) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
解説ありがとうございます。
ただ、化学を学んで思うのは、なぜ新元素は、1:ウン(un),2:ビ(bi),3:トリ(tri)なのに、化学式の時は、1:モノ(mono),2:ジ(di),3:トリ(tri)なのか・・・。
統一してくれると楽なんですけどね。
by optimist (2009-12-18 23:54) 

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