H-IIAロケット17号機打ち上げ延期 [科学系よもやま話]
昨日予定されていたH-IIAロケット17号機打ち上げは、結局延期されちゃいましたね。
JAXAプレスリリース『H-IIAロケット17号機による金星探査機「あかつき」(PLANET-C)の打上げ延期について(リンク)』
射場近辺に氷結層を含む雲が観測されたのが理由だそうです。射点付近は夜が明けた時点では小雨が降る程度だったので、このまま打ち上げかと思ったのですが、ちょと残念。とはいえ、延期といっても機器類の不備ではなく、天候の問題ですから、心配することはありません。よくあることです。
因みに、氷結層を含む雲といっても、別に氷の欠片とロケットが衝突するのを心配している訳ではありません。問題にしているのは、氷の塊同士がぶつかり合う事で帯電しているかもしれないって事。上空の雲の中では、氷結が互いに衝突・摩擦を繰り返すので、あられは電子を奪い取って負に帯電しているそうです。更に上空の氷の結晶では、反対に電子を奪われて正に帯電。そこにロケットが突っ込むと、雷を誘電しちゃうって訳です。
雷雲が射場付近に出ていれば、勿論発射は延期されます。でも今回の様に雷雲とまではいかないまでも、一定の数値を超える氷結層を含む雲が観測されると、発射は延期されるんです。ロケットにとって雷は大敵ですからね。
他にも、雨や風について細かく制約条件が決められています。詳しくは下のリンクをご覧下さい。
JAXA『打ち上げ主要制約条件(リンク)』
ところで、私のようなサラリーマンは、なかなか種子島まで打ち上げを見に行く事は出来ません。仮に行っても、様々な理由で延期されたりしますしね^^;
そこで、お勧めなのが、宇宙作家クラブの『ニュース掲示板(リンク)』です。
私は『宇宙へのパスポート(1)~(3):朝日新聞出版』という本で、このサイトを知ったのですが、会員のSF作家さんによって、写真や発表などが随時アップされ、現地の雰囲気が伝わってきます。何より、メディアの発表と違い、かなり宇宙開発について知っている素人の目線でリポートされるので、親しみ易い。それに、ぶっちゃけ新聞なんかより情報が早いし的確(に思える)。
報道向けの会見でのやり取りなんかも載ってるんですが、どのメディアがどんな質問してるのかも分かって面白いです。「『あかつき』が、金星に着くのはいつか?」なんて配られた資料に載ってるだろ~。その場で技術者に話を聞けるんだから、もっと有意義な質問せんのかね?な~んて思えたりね。
これを見ながら、最後はライブ中継って流れがお勧めです。
さて、心配は無いと書きましたが、様々な条件から、もし6月3日までに打ち上げられない場合は、打ち上げが来年5月になっちゃうそうなので、そこは心配かな。
新しい打ち上げ予定は、天候回復が見込める2010年5月21日 6時58分22秒になったようです。
JAXA プレスリリース『H-IIA ロケット17号機 による金星探査機「あかつき」(PLANET-C)の打上げ日について』
無事打ち上げられることを期待します。
JAXAプレスリリース『H-IIAロケット17号機による金星探査機「あかつき」(PLANET-C)の打上げ延期について(リンク)』
射場近辺に氷結層を含む雲が観測されたのが理由だそうです。射点付近は夜が明けた時点では小雨が降る程度だったので、このまま打ち上げかと思ったのですが、ちょと残念。とはいえ、延期といっても機器類の不備ではなく、天候の問題ですから、心配することはありません。よくあることです。
因みに、氷結層を含む雲といっても、別に氷の欠片とロケットが衝突するのを心配している訳ではありません。問題にしているのは、氷の塊同士がぶつかり合う事で帯電しているかもしれないって事。上空の雲の中では、氷結が互いに衝突・摩擦を繰り返すので、あられは電子を奪い取って負に帯電しているそうです。更に上空の氷の結晶では、反対に電子を奪われて正に帯電。そこにロケットが突っ込むと、雷を誘電しちゃうって訳です。
雷雲が射場付近に出ていれば、勿論発射は延期されます。でも今回の様に雷雲とまではいかないまでも、一定の数値を超える氷結層を含む雲が観測されると、発射は延期されるんです。ロケットにとって雷は大敵ですからね。
他にも、雨や風について細かく制約条件が決められています。詳しくは下のリンクをご覧下さい。
JAXA『打ち上げ主要制約条件(リンク)』
ところで、私のようなサラリーマンは、なかなか種子島まで打ち上げを見に行く事は出来ません。仮に行っても、様々な理由で延期されたりしますしね^^;
そこで、お勧めなのが、宇宙作家クラブの『ニュース掲示板(リンク)』です。
私は『宇宙へのパスポート(1)~(3):朝日新聞出版』という本で、このサイトを知ったのですが、会員のSF作家さんによって、写真や発表などが随時アップされ、現地の雰囲気が伝わってきます。何より、メディアの発表と違い、かなり宇宙開発について知っている素人の目線でリポートされるので、親しみ易い。それに、ぶっちゃけ新聞なんかより情報が早いし的確(に思える)。
報道向けの会見でのやり取りなんかも載ってるんですが、どのメディアがどんな質問してるのかも分かって面白いです。「『あかつき』が、金星に着くのはいつか?」なんて配られた資料に載ってるだろ~。その場で技術者に話を聞けるんだから、もっと有意義な質問せんのかね?な~んて思えたりね。
これを見ながら、最後はライブ中継って流れがお勧めです。
さて、心配は無いと書きましたが、様々な条件から、もし6月3日までに打ち上げられない場合は、打ち上げが来年5月になっちゃうそうなので、そこは心配かな。
新しい打ち上げ予定は、天候回復が見込める2010年5月21日 6時58分22秒になったようです。
JAXA プレスリリース『H-IIA ロケット17号機 による金星探査機「あかつき」(PLANET-C)の打上げ日について』
無事打ち上げられることを期待します。
ロケットの打ち上げ延期は日本だけでなく、米国でもしょっちゅうやっていますよね。 何億円、何億ドルもする高価な衛星を打ち上げるのだから慎重すぎるということはありませんね。
まあ、願わくは今年の打ち上げ窓が閉まらないうちに打ち上げることと、打ち上げたあと問題なく金星周回軌道に乗せることですね。
これがまたたいへん困難なことのようですけど。。。
by Loby (2010-05-19 01:46)
Loby さん、こんばんは。
地球の衛星軌道ではなく、金星への投入ですから窓も限定されるようですね。
また来年まで待つのは悲しいので、なんとか無事打ち上げとなってもらいたいものです。
by optimist (2010-05-20 21:37)
>新しい打ち上げ予定は、天候回復が見込める2010年5月21日 6時58分22秒になったようです。
「5月21日」と聞くと、どうしてもこのことに触れなければならない私。
仮に2年後であれば、6時10分58秒から太陽が欠け始め、打ち上げ時刻には80%くらい日食が進んでいますね。
その後、7時18分7秒に金環日食が始まり、7時20分17秒に食の最大(95.7%)、7時22分27秒に金環日食が終わり、8時40分37秒に日食が終わります。
おそらくここも、2年後には「金環日食観測会」とかが開かれそうな気がします。
by 北海道大好き人間 (2010-06-15 18:05)