世界初、天然ウナギ卵を発見!? [科学系よもやま話]
世界で初めて、天然の天然ウナギ卵を発見したという発表が、東京大学大気海洋研究所と水産総合研究センターからありました。
ウナギの産卵場所は、『ウナギの祖先は深海魚 DNA解析から推定』でもご紹介したように、昔から謎で、現在に到るまで特定されていませんでした。それが、今回初めて卵にまで行き着いたというのは、大発見と言えると思います。
資料を読むと、プレス向けの発表は、2011年1月27日に東京大学本郷キャンパスで行われたそうです。論文が掲載されるオンライン誌『Nature Communications(リンク)』が公開される2月2日午前1時が報道解禁日となったようです。
人類が初めて目にした天然ウナギ卵―ウナギ産卵場2000年の謎を解く―
『配布資料(pdfファイル)』
『発表用スライド(Power Pointファイル)』
※これらの資料は、以下のプレスリリースからダウンロード可能です。
『東京大学大気海洋研究所のプレスリリース(リンク)』
『水産総合研究センターのプレスリリース(リンク)』
Nature Communicationsに掲載された論文は、こちらで閲覧できます。
『Oceanic spawning ecology of freshwater eels in the western North Pacific(リンク)』(Nature Communications 2,Article number: 179)
今回報告された卵が採取されたのは、 2009年5月の新月(正確には、5月22日未明なので、新月の2日前)。西マリアナ海嶺南端部の海山域でニホンウナギの受精卵を31個採集したそうです。孵化前に卵が海中を漂うのはわずか1日半という事ですから、今回産卵場所をかなり狭い範囲に特定できたわけです。
更に2009年6月の新月期には、西マリアナ海嶺南端部でニホンウナギ親魚が採取され、生殖巣に次の産卵に向けて卵巣内の卵細胞が発達途上にあり、1ヶ月か2ヶ月後の新月に再び産卵するものと考えられる雌や、よく発達した精巣をもつ雄が捕獲されている事からも、この海域が産卵場所と考えられるとされています。
今回の発見は、世界に19種・亜種いるウナギの中で、初めて発見された天然の卵だという点だけでも、素晴らしい成果だと言えます。
また、産卵場所の水深が、従来考えられてきた深海ではなく、水深200m程だと推定されたのも衝撃的です。孵化したばかりのプレレプトセファルスが海水の密度が大きく変わる温度躍層に集まっていたという事から、人工的にウナギの完全養殖を行う上で重要な産卵及びレプトセファルスの生息環境についての知見が得られたのも大きいですね。
更に、ニホンウナギを採取した網に、オオウナギも入っていた事から、複数種が産卵場を共有している可能性も示唆されているなど、非常に興味深い内容です。是非配布資料や発表用スライドをご覧下さい。
個体減を気にすることなく、完全養殖ウナギを食べられる日が来ると良いな~などと思う、鰻の蒲焼好きな私なのでした・・・。
ウナギの産卵場所は、『ウナギの祖先は深海魚 DNA解析から推定』でもご紹介したように、昔から謎で、現在に到るまで特定されていませんでした。それが、今回初めて卵にまで行き着いたというのは、大発見と言えると思います。
資料を読むと、プレス向けの発表は、2011年1月27日に東京大学本郷キャンパスで行われたそうです。論文が掲載されるオンライン誌『Nature Communications(リンク)』が公開される2月2日午前1時が報道解禁日となったようです。
人類が初めて目にした天然ウナギ卵―ウナギ産卵場2000年の謎を解く―
『配布資料(pdfファイル)』
『発表用スライド(Power Pointファイル)』
※これらの資料は、以下のプレスリリースからダウンロード可能です。
『東京大学大気海洋研究所のプレスリリース(リンク)』
『水産総合研究センターのプレスリリース(リンク)』
Nature Communicationsに掲載された論文は、こちらで閲覧できます。
『Oceanic spawning ecology of freshwater eels in the western North Pacific(リンク)』(Nature Communications 2,Article number: 179)
今回報告された卵が採取されたのは、 2009年5月の新月(正確には、5月22日未明なので、新月の2日前)。西マリアナ海嶺南端部の海山域でニホンウナギの受精卵を31個採集したそうです。孵化前に卵が海中を漂うのはわずか1日半という事ですから、今回産卵場所をかなり狭い範囲に特定できたわけです。
更に2009年6月の新月期には、西マリアナ海嶺南端部でニホンウナギ親魚が採取され、生殖巣に次の産卵に向けて卵巣内の卵細胞が発達途上にあり、1ヶ月か2ヶ月後の新月に再び産卵するものと考えられる雌や、よく発達した精巣をもつ雄が捕獲されている事からも、この海域が産卵場所と考えられるとされています。
今回の発見は、世界に19種・亜種いるウナギの中で、初めて発見された天然の卵だという点だけでも、素晴らしい成果だと言えます。
また、産卵場所の水深が、従来考えられてきた深海ではなく、水深200m程だと推定されたのも衝撃的です。孵化したばかりのプレレプトセファルスが海水の密度が大きく変わる温度躍層に集まっていたという事から、人工的にウナギの完全養殖を行う上で重要な産卵及びレプトセファルスの生息環境についての知見が得られたのも大きいですね。
更に、ニホンウナギを採取した網に、オオウナギも入っていた事から、複数種が産卵場を共有している可能性も示唆されているなど、非常に興味深い内容です。是非配布資料や発表用スライドをご覧下さい。
個体減を気にすることなく、完全養殖ウナギを食べられる日が来ると良いな~などと思う、鰻の蒲焼好きな私なのでした・・・。
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鰻の値段は、このところ高騰していまして、毎年夏の土用の丑の前に値上がりすることが続いています。
ウチでも鰻を出していますが、国産では高すぎるので中国産を使っています。
ですが、ニュースで何度も報道されている様に、国産も輸入品も見分けが付きにくいので、偽装され放題です。
今回の発見ですが、より天然物に近い養殖ができればいいかなあと思います。
実は天然物は、そんなに脂はのっていません。ですが、いつ頃から、過脂がのっている方が好まれる様になっています。養殖物は、そういう需要に応えるべく作られたものです。
こういう養殖(栽培)技術が、日本人が好むクロマグロ(本マグロ)や松茸にも早く利用できればいいなあと思っています。
by 北海道大好き人間 (2011-02-05 21:39)
北海道大好き人間 さん、こんばんは。
食品表示は表示法が改正されたとは言え、工業製品に比べたら、遥かにいい加減だと思います。
まあ、工業製品だって部品一個一個まで外から見て何処で作られたものかは分かりませんけどね^^;
偽装というか嘘だけは止めて欲しいです。別に普通に中国産ならそうと書いてあったって買う人はいるんですから。
脂については、肉を含め好まれる傾向があるそうですね。あと、柔らかい物が好まれるとか。私は脂が乗り過ぎって感じる事が多いので、寿司でも脂が多い物は、炙りで食べる方が好きです(昔はそんな事無かったんですけどね)。
by optimist (2011-02-06 00:25)