SSブログ

系外惑星グリーゼ581dに「生命存在できる」、仏研究 [科学系よもやま話<宇宙の話>]

昨年、このブログでもご紹介したグリーゼ581d『可住惑星を太陽系外に発見?』についての論文がニュースになっていました。

Astrophysical Journal Letters『Gliese 581d is the First Discovered Terrestrial-mass Exoplanet in the Habitable Zone(リンク)』

フランス国立科学研究センター(CNRS:Centre national de la recherche scientifique)の気候科学者、Robin D. Wordsworth氏らによるものですが、仮定を重ねての結果ですから、どの位正しいのかは分かりません。でも、条件さえ整えば、現在得られているグリーゼ581dのデータからも、地球のような生命体が生存するための十分な水分と温暖な気候を持つ可能性はあるようです。
 
グリーゼ581dの主星は赤色矮星で、その放射は弱く、グリーゼ581dに届く光は、地球の3分の1程。その上、自転と公転が同期していてるので、月と地球の関係のように、常にグリーゼ581dは、一方の面だけを主星に向けていると考えられています。

以前とりあげた際にも、日陰側は凍り付いているにしても、場所によっては水が液体で存在するかもしれないというお話をご紹介しました。

しかし、気候科学者である著者らのモデリングによれば、グリーゼ581dが、分厚い二酸化炭素の大気を持つならば、もっと違う姿なのかもしれないのだそうです。つまり、
COの温室効果のおかげで、熱が逃げにくく、加えて主星のM2.5V型の赤色矮星グリーゼ581が発する赤色の光は、二酸化炭素の大気を通過して地表を暖める効果が期待できるというのです。
その結果、グリーゼ581dの地表は、海や雲、それに降雨が発生するのに十分な暖かさを有していると考えられると、推論していました。

ちょっと条件を変えると、推測される気候も激変するのは、地球の大気組成がごく僅かに変化するだけで、温暖化が叫ばれる現状をみても納得です。
とはいえ、常に一方だけを恒星側に向けている事による、気候への影響は凄まじい気がするのですが・・・。

それにしても、グリーゼ581dまでの20光年は、今の人類には絶望的な距離です・・・。
流石に私が生きている間にグリーゼ581d人に会うのは、難しそう。
地球外生命は、まずは、太陽系内に期待しましょう。




nice!(4)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 4

コメント 2

北海道大好き人間

>グリーゼ581dまでの20光年は、今の人類には絶望的な距離です・・・。
SFやアニメではさもご近所みたいに取り扱われていますが、「はやぶさ」の例を挙げるまでもなく、太陽系から抜け出すだけでも一苦労というのが現状ですから、遠い世代に夢を託すしかないでしょうね。

by 北海道大好き人間 (2011-05-22 20:17) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
画期的技術が出来れば・・・と思わなくもないですが、流石に20光年の旅というと、私が生きている間に期待するのも・・・。

by optimist (2011-05-23 22:34) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。