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「第2の地球」候補 [科学系よもやま話<宇宙の話>]

NASA(米航空宇宙局)が2011年12月5日、「第二の地球」となり得る惑星を地上からの望遠鏡などで存在を確認したと発表しました。
NASA’s Kepler Mission Confirms Its First Planet in Habitable Zone of Sun-like Star(リンク)』
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Credit: NASA/Ames/JPL-Caltech

上の図は、今回発表されたケプラー22と太陽系のハビタブルゾーンのサイズ、そして各惑星の位置とサイズを分かりやすくまとめたものです。

ここで使われるハビタブルゾーン(HZ:habitable zone)は、日本語だと生命居住可能領域とも訳され、生命が誕生するのに適した環境となる天文学上の領域で、惑星の表面温度が、液体の水を維持できるかもしれない領域です。

これまでも『可住惑星を太陽系外に発見?』などで、ハビタブルゾーン内にあると考えられる惑星についてご紹介したことがあります。
しかし、例えばGliese581の場合、太陽に比べて質量がとても小さいM3Vの赤色矮星の周囲を地球の3.1倍の質量の惑星が、37日弱の周期で公転しているという、地球とはかなり違った環境でした。

しかし、600光年先にあるケプラー22は太陽と同じスペクトル型がGの恒星で、その周りを地球の2.4倍の惑星bが290日周期で回っているんです。

まだこの惑星ケプラー22bが地球のように岩石質なのか、木星のようなガス惑星なのか分からないなど、第二地球とまで言えるかというと疑問も残りますが、少なくとも、現状知りえた惑星の中で、最も地球に似ていると思われる星を見つけたわけです。
以前も書いたことがありますが、ハビタブルゾーン即ち生命居住可能領域を決める根拠が、惑星の表面温度が液体の水を維持できるかもしれない領域とするのには違和感を感じます。

これは、生命が生きるためには液体の水が必須という考えに基いているので、もしかしたら、この領域外にだって、水に依存しない生命が存在するかもしれません。以前もご紹介しましたが、こんなネイチャーのニュースでは炭化水素の海で発生する水に依存しない生命の可能性について論じられています。
Titanic life may bloom without water(水無しで花開くタイタンの生命)(リンク)』

とはいえ、系外惑星探査衛星「ケプラー」の2009年打ち上げ以来、次々に太陽系外惑星が発見され、地球サイズの惑星と思われる天体の数もどんどん増えています。
今後、更に地球に似た天体が見つかるかもしれないのは間違いなく、生命の存在はともかく、可住惑星の候補としての価値はそれこそ天文学的額となり得ると思います。

我々人類の次なるフロンティアとして、そのままでは住むことが出来ない過酷な太陽系内の天体の可住化と、太陽系外の可住惑星があると思います。
私が生きている間で達成できるかは、大いに疑問ではありますが、なんともワクワクする話題です。



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コメント 4

david

地球に似ている惑星、宇宙ってこの無限に近い空間のなかの太陽系、地球
僕の尺度ではちょっと測れません。
by david (2011-12-08 10:12) 

北海道大好き人間

その「第二の地球」に実際に人類(生物)がいて、反対に「こちら」を見ていたら面白いですね。

by 北海道大好き人間 (2011-12-08 19:43) 

optimist

david さん、こんばんは。
完全に普段使っている尺度とは桁違いですものね。
私もまったく自分の尺度では測れていませんが、地質学や天文学といった普段の生活と全く違うスケールの物事は大好きです。
by optimist (2011-12-11 00:30) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
面白いですね。
でも、その場合彼らが見ているのは15世紀の地球の姿で、今より気温が低く、二酸化炭素濃度が低い姿というのも、また面白いと思います。
by optimist (2011-12-11 00:33) 

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