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「うるう秒」は無くなるか? [科学系よもやま話]

「うるう秒」に関する議論について、ニュースになっていました。
そこで、今日はこの「うるう秒」について取り上げたいと思います。

普段生活する上で、意識していないと思いますが、現在、協定世界時 (UTC) は、国際原子時 (TAI)と世界時(UT1)という2つの時刻系を基にしています。
世界時(UT1)は、地球の自転に基づくのですが、この自転速度は、厳密には一定の速さではありません。対して、国際原子時は原子時計に基づくので、一定の速さで時を刻み続けています。

そのため、両者に差が生じてしまうのです。そこで、1972年以降、この差をうるう秒として補正しつづけてきたのですが、プログラムエラーの原因になりかねない事もあり、「うるう秒」は廃止しようという意見があります。
実は、10年以上も前、西暦2000年からITU-R(国際電気通信連合無線通信部門)の研究委員会(SG7 WP7A)で、協定世界時の検討に着手しているんです。

その結果、2007年のWP7A会合で、「うるう秒」によるUTC調整の手続きを廃止する改定勧告草案がとりまとめられ、2009年のSG7会合に送付されたのですが、結局継続検討に・・・そして未だに、うだうだと賛成だ反対だとやっている訳です。
 
このあたりの経緯は、『総務省(リンク)』のサイト内に資料があります。
例えば、こんな感じ『2009年9月 ITU-R SG7 WP7A会合報告書(pdfファイル)』

実際、うるう秒が無くなると、どんどん実際の時間間隔と協定世界時 (UTC)がずれていく(といっても100年、1000年単位の話ですが)と考えられます。
ただ1000年後、はたして人類の生活圏は地球上だけに留まっているでしょうか?

もし、火星のテラフォーミングやスペースコロニーが絵空事でなく、実際に誕生していれば、そもそも地球の自転周期と使用する時間がずれていても、なんら問題にならなくなっているかもしれませんね。


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北海道大好き人間

国立天文台(かな?)の電光掲示時計がうるう秒を示す瞬間の動画を見たことがありますが、あれがなくいなるということですよね。

それ以外にも、過去や未来の日食をシミュレートするのに必要な「DT値」にも影響を及ぼすのではないでしょうか?
私が過去に書いた西暦3001年から1100年分の日食予測の記事では、北大のサイトから用いた値を使っています。

それよりも、欧米で主流のサマータイムの方がもっと面倒だと思います。

by 北海道大好き人間 (2012-01-12 12:27) 

optimist

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
天文学の世界だと影響が出るかもしれませんね。
とはいえ、どのくらいずれが生じたかは分かるので、補正されるだけだと思いますが。
by optimist (2012-01-19 23:42) 

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