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1万3前年前の大規模な彗星衝突? [科学系よもやま話<宇宙の話>]

今日は、人類が遭遇したかもしれない、天体落下という災厄についての話題です。

1万5千年前頃から急激な温暖化に向かっていた地球の気温が、1万3千年前あたりから急激に寒冷化したと考えられています。この寒冷化の時期は、ヤンガー・ドリアス期と呼ばれるのですが、近年北アメリカに彗星が落下した事が原因という説が唱えられ、関連する論文も多数見る事ができます。
※例えば2007年の米科学アカデミー紀要に掲載されたこの論文などです。
Evidence for an extraterrestrial impact 12,900 years ago that contributed to the megafaunal extinctions and the Younger Dryas cooling(リンク)』(doi: 10.1073/pnas.0706977104)

これに対し、この寒冷化は、北アメリカのローレンタイド氷床が溶けてできた巨大な淡水湖『アガシ−湖』が決壊、いっきに北大西洋に真水が流入した事に因る、海洋深層水循環の変化が原因とする説もあります。

今回記事になった論文は、前者の彗星落下説を支持する内容の物です。
Evidence from central Mexico supporting the Younger Dryas extraterrestrial impact hypothesis(pdfファイル)』
(doi: 10.1073/pnas.1110614109) 

この時代の地層として、黒色の地層が北アメリカ各地で発見されイリジウムや煤、微小なダイヤモンドなを含む事から、地球外天体の衝突とそれによる大規模火災が示唆されているのですが、今回の論文でも、中央メキシコのCuitzeo湖(クイツェオ湖)の地層をから、同様のダイヤモンドの微粒子などを検出したと言うのです。

このようなナノサイズのダイヤモンドは、急激な加熱と冷却によりできるので、天体衝突の衝撃で生成したと考えられるという訳。

まあ、実際にこのような天体衝突があったとして、それでも人類は生き延びたというポジティブな見方もできるかもしれませんね。

ところで、記事はアップしているもの、またぞろ仕事が半端なく忙しくなってきました。
コメント欄の返信が滞るかと思いますが、ご容赦ください。

ああ、いっそ巨大隕石でも衝突したら、あくせく働かなくても済む?などどダークな気分になったりしないよう、適度に息抜きせねば・・・。


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コメント 3

般若坊

天体の衝突はダイナミックですね。巻き上げられた塵や土砂が、太陽光を反射して地球は氷河期に入り、体温保持機能をもたない爬虫類や大型恐竜が、絶滅したと教わりましたが・・・
小惑星が接近落下の恐れがある時、核爆弾搭載のミサイルで粉砕するのでしょうか・・・
それともロケットを取り付けて軌道修正を行うのでしょうか・・・
by 般若坊 (2012-03-06 22:30) 

北海道大好き人間

映画「ディープインパクト」の世界が現実に起こった可能性があるというわけですね。
一説によれば、北米大陸のメキシコ湾は、より巨大な隕石か何かが地球に衝突した跡だとも言われています。
その他にもアリゾナの大隕石孔に隕石が衝突した際にも、地球上に多大な影響を及ぼしたのではないでしょうか?
それを考えますと、間もなく発生から1年になる東日本大震災による津波で海流が変わったり、そこから気象変動があっても不思議ではないですね。

by 北海道大好き人間 (2012-03-06 23:00) 

optimist

般若坊 さん、こんばんは。
小惑星が接近落下の恐れがある時現時点では、なかなか対処が難しいというが現実だと思います。
出来うる限りの事を行うのでしょうが、現時点では、大質量の物の軌道を変えるだけの推力を確保するのは困難かと思います。

北海道大好き人間 さん、こんばんは。
アリゾナの大隕石孔の場合は、植生の変化から気候変動への影響は極めて軽微で、周囲の環境も100年程度で戻ったと考えられているようです。
因みに、現在の気象変動では、北極の氷が溶ける事による影響の方が心配かもしれないような気がします。
by optimist (2012-03-10 22:41) 

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