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背骨を持たない脊椎動物「ヌタウナギ」に背骨の痕跡を発見 [科学系よもやま話<生命の起源・進化>]

今日ご紹介するのは、ずいぶん鮮度が落ちてしまいましたが、独立行政法人理化学研究所のプレスリリースから、コレ。
背骨を持たない脊椎動物「ヌタウナギ」に背骨の痕跡を発見-脊椎骨の形成メカニズムの進化について新しい仮説を提唱-(pdfファイル)』

温帯域の深海に生育するヌタウナギという生物が、脊椎動物の祖先的動物だと考えられていたそうですが、実は、背骨が極めて退化した特殊な脊椎動物だという事を発見したと言うのです。

つまり、脊椎動物は、祖先的動物が背骨を獲得して進化したのではなく、全ての脊椎動物の共通祖先は、5億年前には既に背骨を作り出す細胞集団と分子メカニズムを持っていたという、新しい仮説を提唱したんです。
 
今後、議論を呼びそうですが、背骨の進化過程の定説が覆されるかもしれませんね。

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DNA、宇宙に存在か 南極隕石にアデニンとグアニン [科学系よもやま話<生命の起源・進化>]

今日ご紹介するのは、米科学アカデミー紀要(PNAS:Proceedings of the National Academy of Sciences)で発表されたこの論文。
Carbonaceous meteorites contain a wide range of extraterrestrial nucleobases(pdfファイル)』(PNAS 2011 ; published ahead of print August 11, 2011, doi:10.1073/pnas.1106493108 )

南極などで見つかった炭素質コンドライト12個を分析した結果、アデニン、グアニンなどと共に、生体内の筋肉組織に含まれるヒポキサンチンとキサンチンが見つかったと言うのです。
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Artist concept credit:NASA's Goddard Space Flight Center/Chris Smith

これまでも隕石からアミノ酸などを発見したとする論文は出ていましたが、反論として地球上で後天的に汚染された結果に過ぎないという主張がされてきました。
しかし、今回の隕石12個のうち9個は南極大陸で発見されたもので、生命による汚染の可能性が極めて少ないと著者らは考えているようです。
更に、アミノ酸と同時に、3種類の核酸塩基(プリン、6,8-ジアミノプリン、2,6-ジアミノプリン)も発見した事も、汚染を否定する根拠となっています。

これらの分子はアミノ酸から合成可能ですが、地球上の生物が合成することは稀なのです。更にこれらの物質は、炭素質コンドライトの内部に広く分布していた事、採取地点の土壌や氷からは有意な濃度で検出されてない事などから、アデニンやグアニンも含め、地球外由来と考えられると言うのです。

尚、この報告については、NASAのWeb Site上でも解説されています。
NASA Researchers『DNA Building Blocks Can Be Made in Space(リンク)』
 

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34億年前の生命の化石発見 [科学系よもやま話<生命の起源・進化>]

今日ご紹介するのは、イギリスの科学雑誌Nature Geoscience(ネイチャージオサイエンス)で発表されたこの論文に関するニュースです。

Microfossils of sulphur-metabolizing cells in 3.4-billion-year-old rocks of Western Australia(リンク)』(Nature Geoscience
(2011) doi:10.1038/ngeo1238)

オーストラリアのウエスタンオーストラリア州Pilbara(ピルバラ)地方で発見された微化石を分析した結果、未だ地球上に酸素のなかったと考えられる34億年前に生息していたバクテリアの化石だと分ったというものです。

ところで、2011年7月17日に放送された(2011年8月21日の午後2時からも再放送されていました)NHKスペシャル『地球大捜査-生命誕生の謎に迫る-(リンク)』をご覧になられたでしょうか?

昨年実施された沖縄熱水海底下生命圏掘削を紹介、その成果について取り上げた番組だったのですが、その中でこのニュースで取り上げられているオーストラリアのウエスタンオーストラリア州ピルバラ(Pilbara)地方の岩石中の微生物化石が紹介されていたので、「あれっ?聞いたことがあるぞ」と思った方もいらっしゃるかも知れません。

このピルバラ地方では、2002年にも、別の研究チームが微生物の化石を発見したと発表しているんです。番組で紹介されていたのはこの化石の事。でも、一部の専門家からは「岩石が鉱化した跡にすぎないのではないか」と反論され、以来議論が続いていたそうです。

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生命の起源・・・『化学進化』は海底地下でおこった? [科学系よもやま話<生命の起源・進化>]

今日ご紹介するのは、生命の起源にも通じる、発表についてです。

Stability of amino acids and their oligomerization under high-pressure conditions: implications for prebiotic chemistry(リンク)』
NIMSプレスリリース『生命の起源:『化学進化』は海底地下でおこった!(リンク)』
東北大学のプレスリリース『生命の起源:『化学進化』は海底地下でおこった!(pdfファイル)』

この報告によれば、東北大学大学院理学研究科とNIMS(物質・材料研究機構)の共同研究により、高温高圧条件でアミノ酸の重合実験を行った結果、タンパク質の元となるペプチドが単純なアミノ酸から作り出されることが明らかになったのだそうです。

そもそも、生命がどのように誕生したのかについて、現在でもその答えは出ていません。それどころか、生命の材料とも言える高分子有機物がどのように生成されたのか、はたまた高分子有機物の材料となるアミノ酸などがどのようにもたらされたのかさえ、結論は出ていないのが現状です。

今回の研究成果は、アミノ酸から高分子有機物の一つであるペプチドが、高温高圧条件下という原始地球の海底地下に近いと考えられる環境で生成可能である事を明らかにしています。
つまりアミノ酸から高分子有機物への化学進化が、初期地球に海が出現した後、海底地下に単純な有機物が濃集し、海底堆積物が圧密・脱水される過程で進んだという仮説を支持する結果が得られたという訳です。
 

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