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科学系よもやま話<生命の起源・進化> ブログトップ
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宇宙生物学上の発見についての議論 [科学系よもやま話<生命の起源・進化>]

NASA(アメリカ航空宇宙局)が、明日の午前4時(現地時間で2010年12月2日 14時)に、 宇宙生物学上の発見に関する会見を行うそうです。
米科学誌のScienceに投稿された論文も、発表後に公開されるはずです。

NASA Sets News Conference on Astrobiology Discovery(リンク)』

その内容は、地球外生命体の証拠の探索に影響を与える、宇宙生物学上の新たな知見だそうで、宇宙人についての報告だなんてニュースにもなっているようです。

宇宙生物学の起源、進化、分布や生活の将来の宇宙での研究について議論されるそうですし、発表者の顔ぶれから推測するに、例えば、火星の極冠などから生命の痕跡を発見したとか・・・そういう話じゃないかな~。
少なくともエイリアンが地球人に紛れて生活しているとか、その手の話じゃ無いのは確かだと思いますよ^^;

発表はNASAテレビやNASAのWeb Siteで中継されるそうですから、興味のある方は、ご覧になってはいかがでしょう。



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タグ:NASA
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ヒ素食べる細菌を発見 [科学系よもやま話<生命の起源・進化>]

すっかり旬を過ぎてしまいましたが、先日、ご紹介したNASAの発表は、リンの代わりに砒素を代謝し、DNAにまで砒素を取り込んだバクテリアに関する物でしたね。
今更ですが、ちょと触れておこうと思います。
NASA-Funded Research Discovers Life Built With Toxic Chemical(リンク)』

アメリカの科学雑誌Scienceにも論文が掲載されています。
A Bacterium That Can Grow by Using Arsenic Instead of Phosphorus(リンク)』
※Full Textは、有料です。

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Credit: Jodi Switzer Blum

実際に宇宙人を発見なんて話を信じていた人は居ないと思いますが、地球外生命についての直接的な発見ではなく、地球上のバクテリアについての報告と言う事で、少々がっかりされた方も多いかもしれませんね^^;
(実際、私も他の天体での生命の痕跡とか、それに類する報告かと思っていました)

ちょっとNASAの作戦勝ちって気もしますが、でも、この発見、本当にビックリな発見なんですよ。

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タグ:NASA 砒素
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「大絶滅」生き延びた恐竜 70万年後の骨、米で発見 [科学系よもやま話<生命の起源・進化>]

今日ご紹介するのは、白亜紀末恐竜大絶滅を70万年ほど生き延びた恐竜がいたというニュースです。

この論文は、アメリカ地質学会の専門誌『Geology(リンク)』に投稿されたものです。『Direct U-Pb dating of Cretaceous and Paleocene dinosaur bones, San Juan Basin, New Mexico』(Geology; February 2011; v. 39; no. 2; p. 159-162)
※Full Textは有料です。

この手の報告は、従来もありました。つまり、隕石衝突を起源とするイリジウムを多量に含むK―T境界以降の地層からも恐竜の化石を発見したというものです。
しかし、多くの科学者は、それを再堆積によるものとしています。

著者らは、この反論として、米西部ニューメキシコ州で見つかったアラモサウルスと呼ばれる草食恐竜の大腿骨を使って年代測定を行なっています。その結果が、6480万年前だった事から、再堆積によるものではなく、隕石衝突後まで生きていた証拠だと結論づけていました。

でも、これって、微妙・・・。
実際には、誤差があるので、K―T境界は6550万年±30万年。今回の化石の年代測定では6480万年±90万年。誤差を最大にとれば、逆転しちゃいます。
というか、化石年代値はU―Pb法で求め、対して比較しているK―T境界の年代値はAr―Ar法によるもの。いや、それ以前にK―T境界の年代値でさえ、各地の年代測定結果が、100万年位の誤差だから約6500万年前に世界中に(巨大隕石由来の)イリジウムの塵がばら撒かれたって論法だったはず。
それなのに、6480万年±90万年だから隕石衝突後だって主張するのは、随分虫が良い主張と感じます。
例えば、これが500万年位違うってなら1%近い誤差ですから、なる程と思いますが、僅か70万年の違い。それも測定方法が異なる2つの年代測定での比較と言われると・・・。

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タグ:恐竜
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地球外生命体の化石について [科学系よもやま話<生命の起源・進化>]

実は、2月末から発熱が続いていて、ダウンしていました。

ブログは事前投稿の自動アップだったので、先週一押しともいえるこのネタのアップが遅くなってしまっという次第・・・。
コメントへの返事も溜まっているのですが、暫くお待ちください。

で、私がダウンしている間に、ホットなニュースとして、彼方此方で取り上げられていたのが、下のリンクにある、2つ。隕石中から、細菌の化石を発見したというニュースと、それを否定するNASAのコメントについてのニュースです。 

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南極で発見の隕石からアンモニアの発生を確認 [科学系よもやま話<生命の起源・進化>]

未だ、震災被害は全貌が見えず、首都圏では計画停電による混乱が続いていますが、心配してばかりでも心が沈むばかりです。

そこで、今日はいつも通りの科学系ニュースのご紹介。
PNAS(Proceedings of the National Academy of Sciences:米国科学アカデミー紀要)に掲載された論文についてです。
Abundant ammonia in primitive asteroids and the case for a possible exobiology(リンク)』
※Full Textは、有料です。但し、PNASは、発行後半年経つと無料閲覧可能となります。

一昨昨日の「隕石から生命の化石が・・・」という論文をご紹介しましたが、こちらは、南極から採取されたCRコンドライトを熱水処理したところ、多量のアンモニアが発生することが確認されたという物です。

生命そのものではありませんが、生命誕生の重要な要素と考えられるアンモニアの供給源として、隕石がなり得る事を示しています。

以前、パン・スペルミア説をご紹介しましたが、そのうち、これらの話題について、とりあげたい思います。
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恐竜の鋭い嗅覚と夜目について・・・ [科学系よもやま話<生命の起源・進化>]

今日は恐竜に関するニュースを二報、ご紹介します。

一方は、カナダ・カルガリー大などの研究チームが、『英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)』で発表した論文。
Evolution of olfaction in non-avian theropod dinosaurs and birds(リンク)』

もう一方は、アメリカ・カリフォルニア大デービス校)などの研究チームが、『サイエンス(Science)』で発表した論文です。
Nocturnality in Dinosaurs Inferred from Scleral Ring and Orbit Morphology(リンク)』

どちらも、恐竜(や絶滅鳥類、現生鳥類、或いはトカゲ)の化石の特定部位を比較しています。前者は、嗅球と呼ばれる嗅覚に関係する脳の部位をCTで比較して、その嗅覚について考察し、後者は、強膜輪と呼ばれる目の周囲にあるリング状の骨と眼窩大きさと比較することで、暗視能力について考察しているのです。

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むかしむかし、ミドリムシは紅かった? [科学系よもやま話<生命の起源・進化>]

今日紹介するのは、東京大学のプレスリリースから。
むかしむかし、ミドリムシは紅かった?—遺伝子水平伝達がもたらした光合成生物のゲノム進化—(リンク)』です。

ちょっとタイトルが面白いでしょう?

真核生物の進化を考える上で、近年支持されているのが細胞共生です。細胞共生とはある生物の細胞が他の生物の細胞内に入り込んで一つの固体として生きる状態を指します。

好気性細菌を取り込んだと考えられるミトコンドリア、或いはシアノバクテリア様の細菌を取り込んだと考えられる葉緑体がその例です。このような細胞共生は、決して珍しいものではなく、藻進化の過程ではこのような細胞共生が、頻繁に起きていたと考える人も少なくありません。

今回報告されたミドリムシを例にとると、ミドリムシはゲノム解析から、鞭毛虫に近い原生動物の仲間に近いと出ています。ところが、葉緑体が独自にもっている遺伝子による解析では、緑藻の仲間と出ている。つまり、、鞭毛虫に近い原生動物が緑藻の仲間と細胞共生した結果、生まれた生物だと考えられるんです。
どうやって?それは、餌として補食された藻類から遺伝子が移動した(遺伝子水平伝達)と推測されています。

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地球の40万倍を超える高重力環境でも生命が存在しうることを発見 [科学系よもやま話<生命の起源・進化>]

JAMSTEC(独立行政法人海洋研究開発機構)のプレスリリースから、生命の生存領域に関する発表をご紹介します。
地球の40万倍を超える高重力環境でも生命が存在しうることを発見(リンク)』

この研究は、JAMSTECの海洋・極限環境生物圏領域の出口 茂チームリーダーらが、九州大学、Institute for Surface Chemistry(界面化学研究所 スウェーデン)、琉球大学と共同行ったものでだそうです。
遠心分離機を使った実験で、地球の40万倍を超えるような、非常に高い重力下でも微生物が生育することを発見したんだとか。
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America『Microbial growth at hyperaccelerations up to 403,627 ・ g(リンク)』
※Full Text は、コチラ(Full Text(pdfファイル))

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指の本数 [科学系よもやま話<生命の起源・進化>]

突然変異などを除いても、動物の手足の指の本数って、様々なのをご存知ですか?

有名なのは、偶蹄目の牛、キリン、ラクダなどの足の指(蹄)は2本なのに対し、奇蹄目の馬は1本です。牛などは第三趾・第四趾が発達し残りの指が退化、馬は第三趾のみが発達して残りの指が退化したと考えられています。
また、二蹄目、一蹄目でなく、偶奇という表現を使っている事からも分かるように、偶蹄目には4本指のシカや猪(共に蹄になった第三趾・第四趾に加え、小さな第二趾・第五趾を有する)や、カバ科も含まれます。本数は違えど、肢軸が第三趾と第四趾の間を通っている点が共通しているんです。
奇蹄目だと3本指のサイ科や前肢4本後肢3本のバク科もいます。奇蹄目といいながら、バクの前肢は4本指なんですよ(因みに、なぜ偶蹄目でなく奇蹄目かと言えば、肢軸が第三趾を通っているから)。

これらの動物たちは、『か節目』と呼ばれる蹄を持つ動物の祖先から連なると考えられています。基は前後とも5趾だったものが、各趾が発達・退化する事で、その本数を変化させていったんだとか。

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タグ:指の本数
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恐竜の前足の指と鳥類の翼の指は同じもの [科学系よもやま話<生命の起源・進化>]

この何日か、手足の指の数に関するお話をしてきました。

今日も、そんな指の数に着目した研究から、恐竜の進化についてのお話をご紹介します。
まずは、こちらの東北大学大学院生命科学研究科のプレスリリース(2011年2月)をご覧下さい。
恐竜の前足の指と鳥類の翼の指は同じもの-150年続く指論争に終止符を打つ発生研究- (pdfファイル)』

これによれば、恐竜の前足と鳥の翼の指の骨を発生学的に解析したところ、鳥類恐竜起源説の強力な証拠を得たというのです。

鳥類が恐竜の獣脚類から進化したという考えは、さまざまな証拠から、現在広く支持されています。
しかし、問題点も指摘されています。その一つが、恐竜の前足の3本の指は第1-2-3指であるのに対し、そこから進化したとされる鳥類の前肢(翼)が第2-3-4指なのはおかしいではないかという指摘だそうです。

このパラドックスに対し、東北大学大学院生命科学研究科の田村宏治教授と大学院生・野村直生さんらが、鳥類の前肢(翼)が第2-3-4指ではなく、発生学的に調べた結果、恐竜と同じ第1-2-3指だという事を示したというのです。
図1. 恐竜と鳥類の指形態の類似性.jpg
図1.恐竜と鳥類の指形態の類似性(上記東北大学プレスリリースより転載)
尚、この研究成果は、科学雑誌Scienceにも掲載されています。
Embryological evidence identifies wing digits in birds as digits 1, 2, and 3(リンク)』(Science 331, 753-757)
 

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