SSブログ
不思議な生き物・奇天烈生物紹介 ブログトップ
前の10件 | 次の10件

指が沢山!?魚類型両生類イクチオステガとアカントステガ [不思議な生き物・奇天烈生物紹介]

哺乳類が登場したのは、恐竜の登場とほぼ同じ三畳紀だといわれています。デボン紀に陸上に進出してきた両生類から、石炭紀、ペルム紀、三畳紀を通経て哺乳類(や爬虫類)へと進化したと考えられているそうです。

つまり陸生の四肢動物の起源を辿ると、両生類にまで遡る事ができるわけです。四肢(手足)は、魚類の対鰭から派生したと考えられ、前肢は胸びれ、後肢は腹びれが変化したものだそうです。

ヒレの骨は、6本以上の魚はいくらでもいますよね。陸生とまでは行きませんが、浅瀬で胸びれを足のように使うカジカの仲間を見ても、ヒレ骨の数は10本以上あります。そう考えれば、6本以上の指があったって良いですよね。
実際、デボン紀後期の魚類型両生類には、下にご紹介したように、指の数が6本以上の化石が見つかっているんです。

『チュレルペトン(Tulerpeton)』は6指の両生類です。また、『イクチオステガ(Ichthyostega)』は、後肢には7本の指がある(前肢は不明)種で、『アカントステガ(Acanthostega)』は、なんと前肢に8本もの指を持っていた(後肢は不明瞭)そうです。

続きを読む


nice!(4)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

鯨骨生物群集 [不思議な生き物・奇天烈生物紹介]

閉鎖的な環境で生態系を作っている生物群として、以前ご紹介した、地中海L'Atalante湾の海底堆積物中で発見された、酸素無しで活動できる多細胞生物群や、深海の熱水噴出孔にみられる熱水噴出孔生物群が挙げられます。

しかし、深海では他にもかなり閉鎖的な環境で生態系を作っている生物群が存在する事が知られています。それが、鯨骨生物群集です。大型の海洋性哺乳類は脂肪組織を多く含むため、それが分解する過程でメタンや硫化水素といった化学合成の基質となる多くの物質が発生します。そのため周辺に嫌気性の化学合成細菌を生産者とした独自の生態系が形成されるという訳です。

不思議な事に群集を構成する生物の多くは移動能力が低いか、あるいは固着性で移動しません。つまり、大きなクジラの死体に依存した生態系は、クジラの骨が分解されるまでの間存在する、準閉鎖的な生態系と言えます。クジラを使い尽くすと、それ以上存在出来ませんが、群集を構成していた生物は幼生の状態で移動し、次なる死体にありつくのでしょう。なにせ、成体は移動能力に乏しいため、偶然すぐ近くに次のクジラが降って来るなんて僥倖を期待するのには無理がありますからね^^;

続きを読む


nice!(5)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

カイコウオオソコエビ [不思議な生き物・奇天烈生物紹介]

カイコウオオソコエビ.JPG
カイコウオオソコエビは、世界で最も深いとされるマリアナ海溝チャレンジャー海淵(深度 10900m)で生息するヨコエビの一種です。水温2℃、水圧は実に1000気圧という苛酷な環境にも関わらず、多くのカイコウオオソコエビが活発に運動している姿が観察されているそうです。

その体内に脂肪分を溜め込む事で、このような極限環境に適応しているそうですが、引き上げるとその脂肪分が溶け出し、死亡・溶解してしまうんだとか。
そのため、その生態については良く分かっていません。
捕獲した個体を急速凍結して溶解を防いだ標本が、現在、新江ノ島水族館に常設展示されています(写真の標本がそれです)。

その姿は白灰色。大きな物は体長4cm以上になるそうです。目は完全に退化していますが、7対の細い脚で活発に動き回るそうです。
ヨコエビの仲間は、一般にはスカベンジャーとして海の掃除屋の地位を占めています。このカイコウオオソコエビも、採集する際には、魚の切り身に寄ってきたそうですから、生物の死骸を食べているのかもしれません。

ただ、チャレンジャー海溝では、カイコウオオソコエビの他は、少数のナマコ類以外、生物は確認されていないんです。では彼らは、何の死骸を食べているのでしょう?

続きを読む


nice!(7)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

南米チリ沖で世界最大の「メガウイルス」発見 [不思議な生き物・奇天烈生物紹介]

さて、一応「不思議な生き物・奇天烈生物紹介」に分類したのですが、ウィルスは生物か?という突っ込みは無でお願いします^^;

南米チリ沖の海水から、遺伝子の数が1000を超えるウイルスが発見されたのだそうです。

ウイルスとしては世界一の遺伝子数だそうですが、それでもたったの1000個。人の遺伝子の数は、2万個を超え、キイロショウジョウバエが1万3500個、大腸菌でさえ4000個ですから、しょせんはウイルスですね^^;

とはいえ、マイコプラズマが500個程度、 従来最大のゲノムを持つウィルスとされていたミミウイルス(Mimivirus)のDNAコード(911個)と比べても、6.5%も大きいものです。

因みに、宿主は不明だそうで、どうやら人体に有害ではないようだとの事ですが、まだまだ未知のウイルスって感じですね。


nice!(8)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

世界最小のカエルPaedophryne amauensis [不思議な生き物・奇天烈生物紹介]

今日ご紹介するのは、成熟しても体長が7ミリ程という、極小サイズの新種のカエルです。

PLos ONE『Ecological Guild Evolution and the Discovery of the World’s Smallest Vertebrate(リンク)』

発見されたのは、パプアニューギニア。Paedophryne amauensis の体長は、平均7.7mm。脊椎動物としては最小なのだそうです。
因みに、これまで最小だとされていたのは、東南アジアに住むコイ科の魚Paedocypris progeneticaで、メスの体長が約7.9mm程なのだとか。

論文では、別の極小サイズの新種カエルである、Paedophryne swiftorumも発表されていました。こちらも体長約8.6mm。小さいですね~。
リンク先のFig2で2種類とも捕獲された場所と共にご覧になれます。

このような極小サイズのカエルは、大型の捕食者と競合しないように、小型の無脊椎動物を食べるために小さな体に進化した可能性が指摘されていました。大きく進化するものがあれば、別の理由で、より小さく進化する種もいる。
実に面白いですね。


nice!(10)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

巨大なamphipods(ヨコエビ類)、7000mの深海で発見される!? [不思議な生き物・奇天烈生物紹介]

今日ご紹介するのは、ニュージーランド沖の深海で発見された、巨大な端脚類(ヨコエビ類)についてです。
’Supergiant’ amphipods discovered 7 km deep(リンク)』

リンク先の記事では、蒸しエビなら何人分?なんてありますが、記事にも書いてあるように、我々が食する所謂十脚目(エビ目)のエビではありません。同じエビの名を持つヨコエビの仲間である端脚類の話です。
Alicella gigantea0005.JPG
※2014年のJAMSTEC横須賀本部の公開日に展示してあったAlicella giganteaの写真を追加しました。

深海に生きる巨大生物と言って思いつくのは、同じく節足動物門甲殻亜門軟甲綱に属する等脚目のオオグソクムシとかダイオウグソクムシ。こいつらも体長が最大で50センチにもなるという巨大なダンゴ虫みたいな生物です。

これらは新江の島水族館などでご覧になる事ができます(ピンボケでごめんなさい^^;)。
大具足虫0001.JPG
そういえば、JAMSTECの本部の一般公開でオオグソクムシに触らせてもらえるコーナーもありました。3歳の娘は怖いもの知らずだから、楽しそうに撫でていましたよ^^;
大具足虫0002.JPG

さて、この記事にある巨大端脚類もそうですが、深海では巨大な体が生存に有利に働くのかもしれませんね。勿論、全ての深海生物が巨大になる訳ではないですが・・・。
【25%OFF】[DVD] よりぬき へんないきもの

【25%OFF】[DVD] よりぬき へんないきもの
価格:2,993円(税込、送料別)



nice!(11)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

世界最小・最軽量級の・・・カメレオン!? [不思議な生き物・奇天烈生物紹介]

世界最小、最軽量級のデジカメが発表された・・・というニュースではなく、小さなカメレオン発見がニュースになっていたので、ご紹介します。

わずか数センチの極小カメレオンの新種が4種類もみつかったそうです。
Rivaling the World’s Smallest Reptiles: Discovery of Miniaturized and Microendemic New Species of Leaf Chameleons (Brookesia) from Northern Madagascar(リンク)』
journal_pone_0031314_g008.png Credit:Glaw, F., et al., PLoS ONE(doi:10.1371/journal.pone.0031314)
写真は、論文中のFigure 8の引用です。新種の中でも1番小さい「Brookesia micra」。

これらのカメレオンが発見されたのは、マダガスカル北部。リーフカメレオンとも呼ばれるブロケシア属のカメレオンで、マダガスカル北部の熱帯林に生息するのだとか。

続きを読む


nice!(14)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

世界一のろい魚」発見! [不思議な生き物・奇天烈生物紹介]

国立極地研究所を中心とする国際共同研究により、「世界一のろい魚」が発見されたとニュースになっていました。
極知研究所プレスリリース『「世界一のろい魚」発見!(リンク)』

北極海に生息するニシオンデンザメは、体の大きさや系統関係の違いを考慮すると、これまでに調べられたどんな魚よりもゆっくり泳ぐのだとか。そのくせアザラシを襲って食べるのだそうですから、驚きですね。

この研究は、Journal of Experimental Marine Biology and Ecologyに掲載されています。
The slowest fish: Swim speed and tail-beat frequency of Greenland sharks(リンク)』

続きを読む


nice!(7)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

イモガイと同じ毒を持つツマベニチョウ [不思議な生き物・奇天烈生物紹介]

米科学アカデミー紀要に掲載されたツマベニチョウの持つ毒に関する論文がニュースに取りありあげられていました。
Peptide toxin glacontryphan-M is present in the wings of the butterfly Hebomoia glaucippe(リンク)』(PNAS 2012 ; published ahead of print October 15, 2012, doi:10.1073/pnas.1209632109

ツマベニチョウは、日本では宮崎・鹿児島・沖縄などで見られ、東南アジアに分布するシロチョウ科としては世界最大級のチョウだそうです。
今回、その幼虫や成虫の羽などから猛毒が見つかったと報告されたのですが、その毒は、猛毒で知られるイモガイ同様、多種類のペプチドの混合物成分だったそうです。
800px-Hebomoia_glaucippe.jpg
From Wikipedia

続きを読む


nice!(15)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学校

カイロウドウケツとドウケツエビ [不思議な生き物・奇天烈生物紹介]

空気清浄機付、防犯システム完備、ついでに食事の支度も不要という住まいがあったら、皆さんどうされますか? そんな夢のような環境に住むエビ、ドウケツエビについてご紹介しようと思います。
偕老同穴0004.JPG
東京海洋大学 水産資料館収蔵のドウケツエビ
 
かれらが住むのは、カイロウドウケツ(偕老同穴)という海綿の仲間の胃腔です。このように他の生物の体内を住み家とする、カクレウオ(ナマコの体内に住む)なども居ます。
ただ、ドウケツエビが特殊なのは、成体となった後、一生をカイロウドウケツの中で過ごす点です。 住処となるカイロウドウケツは、六方海綿の一種で、普通の海綿が持つスポンジ状の海綿質繊維を持っていません。その代わり、ガラスと同じ二酸化ケイ素で出来た網目状の円筒形骨格を持っています。
 
偕老同穴0003.JPG
東京海洋大学 水産資料館収蔵のカイロウドウケツ
 

続きを読む


nice!(3)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問
前の10件 | 次の10件 不思議な生き物・奇天烈生物紹介 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。