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「25年後にヒマラヤ氷河消失」根拠なし? 英紙が報道 [科学系よもやま話]

地球温暖化が事実なのか?良く議論される所ではあります。俗に言う『地球温暖化懐疑論』ですね。私自身は、二酸化炭素の増加と近年の平均気温の上昇について(両者の関連性はさておき)、疑問を差し挟む余地は、あまりないと考えています。

しかしながら、温暖化を予測する論文にも、結論ありきで書かれた物や、誤差の取り方、フィッティングの方法に疑問を感じるものがあるのも確かです。
また、全く異なる要因から、氷河期が来ると言う予測があるのも、一定の説得力は有していると思います。

中立的な判断は既に不可能でしょう。温暖化もビジネスになっていますし、石油などに依存する従来の利権も存在するからです。結局の所、二酸化炭素排出による温暖化が正しいかどうか?は、この先何十年も経たないと結論が出ない問題ではないでしょうか?

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南極隕石隊、快挙続々 貴重なユレーライト・鉄隕石発見 [科学系よもやま話]

今月下旬まで続く予定の51次南極観測隊の隕石探査は、これまでにもご紹介した事があります。
『隕石隊、セールロンダーネ山地の調査へ ヘリで輸送』
『南極隕石ラボラトリー』

続報がニュースになっていましたが、これまでに500個近い隕石を発見したそうです。その中には、これまでに集めた1万6千個を超える南極隕石中にも数十個程度しかない、貴重なユレイライト(Ureilite)も含まれていたんだとか。

因みに、これまでに発見されたユレイライトのスライス断面映像は、南極隕石ラボラトリーが公開している『南極隕石コレクション』でも見ることが出来ますよ(Asuka-88193,Yamato-791538)。
直リンク『Ureilite_Asuka-87272』※リンク切れしたらゴメンなさい。

ユレイライトは、エコンドライトの一種で、その成因に様々な説がある隕石です。最初に発見されたのは1886年帝政ロシアの頃、ノボ・ユレイ(Novo Urei)という所に落下しました。ユレイライトの名は、この落下地点に由来するものです。
その構造は、輝石やカンラン石の結晶の粒界の隙間を埋めるように炭素質物質がダイヤモンドやグラファイトとして存在する不思議なもので、この隙間部分には、希ガスを多く含む事も知られています。

輝石やカンラン石だけなら、地球上でもよくある橄欖石と同じような構造ですが、隙間にダイヤモンドが存在し、希ガスにも富んでいる事が、その成因を謎につつまれた物にしている所以です。一般に、高温高圧で生成するダイヤモンドですが、そんな環境下では希ガスはあっという間にとんでしまうと思われるからです。

そんな謎に包まれた、ユレイライト中のダイヤモンド形成過程については、明日詳しくご紹介しようと思います。
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ユレイライト中に含まれるダイヤモンドの起源 [科学系よもやま話]

今日は、昨日ご紹介したユレイライト隕石の成因に纏わる謎について、もう少しご紹介したいと思います。

尚、内容については、大阪大学大学院理学研究科 宇宙地球科学専攻 惑星科学グリープの松田准一教授の論文や各種機関紙への寄稿を参考にさせて頂いてます。
『大阪大学大学院理学研究科 宇宙地球科学専攻』

さて、ユレイライトが特殊な隕石である一番の理由は、ダイヤモンドを含むという点ではないでしょうか?確かに、他にダイヤモンドを含む隕石が無いわけではありません。あまたある隕鉄中、僅か2つだけでダイヤモンドの存在が確認されています。このダイヤモンドと含む鉄隕石の代表は、アリゾナ隕石孔で有名な『キャニオンダイアブロ』で、このダイヤモンドの成因は、衝突に因るものだとされています。
Meteor Crater.jpg
キャニオンダイアブロ(Credit: NASA)

しかし、ユレイライトは、その大部分でダイヤモンドの存在が確認されている点で特殊です。そして、希ガスを多く含む事も確認されているために、ダイヤモンドがどう形成されたのか、説明し難くしているんです。一般に、高温高圧で生成する事が知られているダイヤモンドですが、そんな環境下では希ガスはあっという間にとんでしまうと思われるからです。
更に不思議な事に、ユレイライト中の結晶(輝石やカンラン石)の粒界の隙間を埋めるように存在する炭素質物質の内、ダイヤモンドには希ガスが含まれているのに、グラファイトには希ガスが含まれていないんです。

こんな不思議な構造を持つユレライトですから、その成因説として『天体内部説(或いは静水圧説)』『衝突説』『気相成長説』などの説が提唱、検証されているんです。

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準天頂衛星初号機の愛称募集結果発表 [科学系よもやま話]

以前このブログでもご紹介した、『準天頂衛星初号機の愛称募集』を覚えてますか?

去る、1月20日、JAXAが準天頂衛星初号機の愛称を発表しました。
準天頂衛星初号機の愛称募集結果についてのプレスリリース

その名は、『みちびき』、ローマ字表記では『MICHIBIKI』です。パチパチ~♪
これで、情報通信測位分野の通信衛星は、『きずな(WINDS)』『きく8号(ETS-Ⅷ)』『きらり(OICETS)』『こだま(DRTS)』
そして、この『みちびき(QZSS)』となります。

その選定理由は、第三者商標権等の観点で懸念がないものの中で 最上位であり、多くの支持を得た愛称であること。つまり、もっと多くの支持を得た愛称もあったが、商標権に懸念があったという訳ですね。
また、高精度な測位情報を提供し、正確な場所へみちびくという準天頂衛星の機能にちなんだ提案理由や、このミッションは次世代の衛星測位技術を日本において確立し、未来の新しい社会へみちびくからという提案理由が多くあり、これらは準天頂衛星のミッション内容を的確に表しているため。だそうです。

因みに、私の案は駄目だったようです・・・。『名付け親認定証』は、ちょっと欲しかったんだけどな~。

そして、気になる副賞の『種子島宇宙センター「みちびき」打上げ見学ご招待』をGetしたのは、和歌山県和歌山市在住の西川さん(52歳)でした。羨ましいです。

※準天頂衛星についてさらに詳しい情報はこちらをご覧ください。
『人工衛星プロジェクト 準天頂衛星システム 』
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「21の1等星すべて一夜で観察」挑戦7年目ついに成功 [科学系よもやま話]

石垣島天文台と地元のNPO法人「八重山星の会」が、2004年から続けていた、21の1等星すべてを一夜で眺める挑戦『1等星マラソン』に、7年目にして成功したそうです。

記事によると、この試みは、2003年に石垣島天文台の建設が決まったのを機に、一晩で全部を見る観測会として企画されたものだとか。

さて、1等星は21ありますが、私の住む神奈川を含む北緯35度地帯で見られないものが6つあります(※カノープスは、条件が揃えばギリギリ地平線の上に昇るので観察できなくも無いです)。つまりこの試みは、低緯度地帯である石垣島だからこその企画という訳です。
因みにこの6つの一等星は以下の通り。

・カノープス(りゅうこつ座α星) -0.7等星
・リゲル・ケンタウリ(トリマン)(ケンタウルス座α星)-0.3等星※連星
・ハダル(アゲナ)(ケンタウルス座β星) 0.6等星
・アクルックス(南十字座α星)  0.8等星※三重星
・ベクルックス(ミモザ)(南十字座β星)  1.2~1.3等星※変光星
・アケルナル(エリダヌス座α星)  0.5等星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

全て冬から春にかけての星座なので、今の時期にみることができます(勿論、北半球の低緯度地帯か南半球ならですが・・・)。
私も、ニュージーランドを訪れた際に、見ることができました。流石に一晩で全21個は見ていませんが、一応21個全部を見ています♪この時期は温暖な気候ですし、お勧めの旅行先です。
南十字jpg.jpg
※デジカメで撮ったケンタウルス座α星β星(ポインター)と南十字星です。ちょと見難くてすみません。


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コンステレーション計画の中止 [科学系よもやま話]

2月1日に、米国のオバマ大統領が、月有人探査計画『コンステレーション計画』を正式に中止すると発表しました。
日本でも先の事業仕分けもあり、宇宙関連の計画がどうなるか心配しております。

コンステレーション計画.jpg
『コンステレーション計画』の想像図(月面着陸船と、宇宙飛行士)
出典:NASA Constellation Gallery

ところで、計画は中止と発表されましたが、本ブログのサイドバーにもリンクがある『月探査情報ステーション』では、2月2日に、『コンステレーション計画』のページを大幅に更新しています。これは、これまでの探査の流れを記録しておくという意味も含めたものだそうで、 計画の概要が新たに追加されたり、ギャラリーに画像や動画が追加されたりしています。
改めて見ていると、この夢のある計画が中止の決定は、個人的に、非常に残念でなりません。

ところで、中止の一番の理由は予算的な物でしょうが、自動化の技術が進み、無人探査や遠隔操作による探査が可能になった事も一因という気がします。
危険な場所に人間を送り込む安全性を確保するより、圧倒的に安いコストで無人探査が行なえ、且つその成果が十分期待出来る場合、人間を送るのではなくロボット探査機を送るという選択は魅力的でしょう。

なんだか寂しい感じもしますが、所詮我々には、直接月面に行く事が出来ないわけですから、カメラを構えているのが人でもロボットでも同じっちゃ~同じです。せめて、無人探査による月や近傍惑星探査までが中止されないように、祈っています。


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『はやぶさ』が地球から100万kmを切る地点を通過することが確実に [科学系よもやま話]

『はやぶさ(MUSES-C)』は、小惑星探査を目的に開発された探査機で、現在小惑星「ITOKAWA」(イトカワ)から地球に帰還の途についています。
はやぶさ.jpg
『はやぶさ(MUSES-C)』
提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)

途中、イオンエンジンのトラブルなどのトラブルに見舞われるも、なんとか地球を目指して飛んでいます。このブログでもご紹介した事があるので、覚えていらっしゃる方も多いと思います。

その『はやぶさ』は、このままの軌道だと地球から100万kmを切る地点を通過することが確実になりました。つまり月の2.5倍程の距離を通過します。現在は、毎週約15万kmずつ最接近距離が短縮されていて、約1ヶ月後には月までの距離を切る軌道に乗るそうです。地球まで0.3天文単位。地球帰還は6月の予定です。

このまま無事の帰還を願うばかりです。

そんな『はやぶさ』の最新情報は、『今週のはやぶさ君』で、見る事ができます。興味のある方はご覧になってみて下さい。
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New Hubble Maps of Pluto Show Surface Changes [科学系よもやま話]

2月4日に、米航空宇宙局(NASA)が新たに冥王星の画像を公開しました。プレスリリースはコチラ
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Credit: NASA, ESA, and M. Buie/Southwest Research Institute

これは、ハッブル宇宙望遠鏡が02~03年に撮影した冥王星の画像をコンピューター処理して得られたものだそうです。まだら模様が見える事から、なんらかの気候変動を示している可能性があるそうです。

冥王星は、2006年に惑星から外されてしまいました。大きさとしては月よりも小さな天体で、公転周期も248年と非常に長いので、表面の気候変動は小さいとする予測がされていました。しかし、今回の報告では、大気中にメタンが豊富で、水素が太陽風ではぎ取られ、炭素が豊富な領域が赤くなったとされています。

因みに2015年には、NASAの太陽系外縁天体探査機『ニューホライズンズ(New Horizons)』による冥王星探査が始まります。2015年5月以降(7月14日に1万kmの距離まで再接近の予定)は、ハッブル宇宙望遠鏡より鮮明な画像が得られると期待されています。今から楽しみですね。

※asahi.comのニュースでも紹介されていたので、追加しました(2009.1.17)。


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タグ:冥王星 NASA
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Suspected Asteroid Collision Leaves Odd X-Pattern of Trailing Debris [科学系よもやま話]

昨日に続いて、米航空宇宙局(NASA)が公開したハッブル宇宙望遠鏡による画像をご紹介します。画像のソースはコチラ『Suspected Asteroid Collision Leaves Odd X-Pattern of Trailing Debris』
STScI-2010-07.jpg
提供:米航空宇宙局(NASA)、欧州宇宙機関(ESA)、デビッド・ジュウィット教授(University of California, Los Angeles)

この×印を持つ不思議な天体は、小惑星帯の天体の一つで、『P/2010 A2』と呼称されています。記事にもあるように、デビッド・ジュウィット教授らに拠れば、どうやら小惑星衝突の名残だと考えられるそうです。

彗星にしては、尾と「頭」が分離しているし、写真にもあるX字形の構造が謎。更に通常観測される主成分の氷が解けてできる気体の成分が尾に見られない・・・。説明によると、この尾は、小惑星同士が衝突してできた塵で、これが太陽風によって流されて出来ていると推測されるそうです。

朝日新聞のニュースでも紹介されています。


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Hubble Captures Double Aurorae Light Show on Saturn [科学系よもやま話]

先日もオーロラの話をご紹介した事があります(『土星のオーロラ』)が、今回は、ハッブル宇宙望遠鏡が土星の南北両極に輝くオーロラを同時に捉えたというニュースをご紹介します。
Aurorae on Saturn.jpg
Credit: NASA, ESA and Jonathan Nichols (University of Leicester)
※動画が下のリンクからダウンロードできますので、是非ご覧下さい。
Video Archive(Hubble)『Saturn's stunning double show

記事の『地球から土星の両極が見られるのは約15年に1度しかない。この珍しい現象を、ハッブルがくっきりとらえた。・・・中略・・・土星は太陽の周りを約30年かけて一周する。土星の自転軸は傾いている。このため、土星の公転周期に2回訪れる地球でいう秋分・春分に当たる時期だけ、土星の両極に同時に太陽の光が当たる。』部分を見ると、あたかも15年に一回しか両極でオーロラは発生しないんだ~と勘違いされる方もいるかも知れません。しかし、そう思った方が居るとすれば、それは間違いです。

記事中にも『地球から土星の両極が見られるのは約15年に1度しかない。』とあるように、あくまで地球から南北両極が見えるのが15年に一度であり、そのタイミングで観測されたオーロラは貴重な映像だという話なんです。

土星でのオーロラ発生のメカニズムは、基本的に地球上で見られるオーロラと同じと考えられています。つまり、太陽風が惑星の磁場によって磁極に集まり、大気の成分と衝突して励起することで発光するのです。よって土星でもオーロラが発生する時は、南北両極で同時に発生しており、北極と南極どちらが太陽を向いていようが、関係ないんですね~。



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