SSブログ
科学系よもやま話 ブログトップ
前の10件 | 次の10件

土星のオーロラ [科学系よもやま話]

11月24日に、アメリカ航空宇宙局(NASA)が、土星探査機『カッシーニ』によって撮影された、土星のオーロラの画像と動画を公開しました。
※プレスリリースはコチラ
Northern Aurora in Motion.jpg
Credits: NASA/JPL/

土星にもオーロラが発生する事は、以前からハッブル宇宙望遠鏡やパイオニア11号、或いは土星探査機『カッシーニ』の観測から、知られていました。
Saturn's Ultraviolet Aurora.jpg
Credits: J.T. Trauger (Jet Propulsion Laboratory) and NASA.

今回は、カッシーニの狭角カメラを使って土星の北半球を対象に2009年10月5日から10月8日にかけて、81時間もの間撮影された500枚以上の静止画像を元に作られたものだそうです。今までの紫外線と赤外線による観測と違って、可視光を使った観測なので、実際に土星近辺で私達が見られる風景なんですよ。最も時間的は随分早回しですけどね・・・^^;

因みに、オーロラは、地球以外の惑星でも観測されています。でも月では起こりません。何故でしょう?
 

続きを読む


木星の10倍以上、巨大惑星2つの撮影成功 [科学系よもやま話]

木星の10倍以上、巨大惑星2つの撮影成功(2009年12月4日04時10分 読売新聞):http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091204-00000073-yom-sci

<記事抜粋>
 国立天文台などの研究チームは3日、太陽と同じような大きさの主星(恒星)の周囲をまわる二つの巨大惑星を、すばる望遠鏡(米ハワイ島)を使って直接撮影したと発表した。

 惑星は、いずれも木星の10倍以上の大きさで、太陽と同程度の星が、これほどの巨大惑星を持つことは考えにくく、惑星誕生の新しい理論の構築への糸口になりそうだ。
-----------------------------------------------------------------------

おぃおぃ。この記事を書いた記者には問題ありだぞ~。太陽とおなじような大きさの主星に、木星の10倍以上の大きさの惑星?
この記事を読んで、多くの人が疑問を持ったでしょう。太陽の直径はおよそ木星の10倍。つまりこの記事の惑星は、主星よりも大きいって話になる。いや、有り得なくは無いけど、ホント?

早速、すばる望遠鏡のWebサイト(http://subarutelescope.org/j_index.html)の観測成果から、元の発表を見てみました。(直リンクはコチラ

案の定この記事は明らかな誤り。正しくは、太陽とほぼ同じ質量の主星に、木星の10倍以上の質量の惑星と思われる伴星というのが正解でした。そりゃ~そうだ。
大きさ的には、太陽よりやや小ぶり(0.88倍)の主星を木星とほぼ同じ大きさの伴星が周っているらしい(リンク先の図2参照)。全く、いつから質量が大きさを表す値になったんだか・・・。

それにしても、インターネットの発達で、メディアを介さず、直接情報発信者のコメントが見られるようになったのは助かります。変なフィルター無しで情報収集できますからね。その分、情報は玉石混交ですが、な~に新聞やTVが流す情報だって、真偽については似たようなものかもしれません。

まあ、記者への文句はこの位にして、本題へ。
 

続きを読む


水星探査計画『ベピコロンボ(BepiColombo)』 [科学系よもやま話]

水星儀をご披露した時に触れた、水星探査計画『ベピコロンボ(BepiColombo)』。今日は、この計画について、もう少し紹介させて頂きたいと思います。

水星探査計画『ベピコロンボ(BepiColombo)』は、日本とヨーロッパ(European Space Agency(ESA):欧州宇宙機関)が共同で計画中のミッションです。
BepiColomboの名は、イタリアの応用数学者ジュセッペ・コロンボ(Giuseppe Colombo)博士の愛称です。彼は、水星の公転周期と自転周期が3:2となることを示したり、NASAにマリナー10号の軌道を提言したりと、水星にゆかりが深い人物ということで、選ばれたそうです。

探査機が打ち上げられるのは、2014年。日本が開発担当の『水星磁気圏探査機(Mercury Magnetospheric Orbiter:MMO)』と、ヨーロッパが開発担当の『水星表面探査機(Mercury Planetary Orbiter:MPO)』の2つの周回探査機が、ギアナ宇宙センターからアリアン5型ロケットで、同時に打ち上げられる予定です。

続きを読む


販促グッズ [科学系よもやま話]

先日、とある展示会に行った時の事・・・。アンケートに答えるとマウスパッドを頂いきました。ここまでは、よくある話ですが、図案が周期表なのが目を引きました。

この歳になると、化学系の仕事をしていても周期表を目にする機会がそれ程ありません。いや、正確には特定の族や周期表の一部について抜粋されてしまい、大きな周期表として目にする事がないのかな。

見ると、Darmstadtium(ダームスタチウム)だのRoentgenium(レントゲニウム)という名前が書いてあります。どちらも私が学生の時には無かった名・・・。そう、周期表に記載される元素名は、だんだん増えているんです(まあ、87番以降の元素なんて、化学専攻でも放射化学とか特定の分野以外で覚えてる人もそういないから、関係ないって気もしますが・・・)。この二つは5年前(1994年)に正式に登録名が決まった元素。

そして、恐らく来年1月には、現在仮に『ウンウンビウム』となっている112番元素名として、『Copernicium』が正式にIUPAC(国際純正応用化学連合)により登録されるはず。今年の7月に、112番元素を最初に発見したとIUPACに認められた研究チームのSigurd Hofman教授が、名称をコペルニクスに因んでCoperniciumとすることで意見が一致したと発表したからです。通常、半年以内にIUPACが正式な元素名を決定するので、もうすぐ正式登録ってわけです。
 

続きを読む


隕石隊、セールロンダーネ山地の調査へ ヘリで輸送 [科学系よもやま話]

意外と知られていませんが、日本は世界で二番目に多くの隕石を保有する国なんです。それどころか、ほんの数年前まで、世界一の保有国だったんです(アメリカに抜かれちゃいましたけど・・・)。国土が狭いのに、それだけの隕石を保有している理由が、この記事にもある南極での隕石調査によるもの。

南極のやまと山脈などからは、1976年から3年間行なわれた日米合同探査の際に採集され、日米で折半して保管しているものも併せると、現在まで1万6千個以上もの隕石が発見・回収されています。一方で、国内に落ちた隕石として認定されているのは50個程でしかありませんから、圧倒的数が南極から採取されてるんですね。

南極で発見された隕石は、南極隕石と呼ばれ、日本の南極地域観測隊がやまと山脈で発見した隕石は、やまと隕石(Yamato meteorites)と呼ばれています。
これらの隕石は、南極隕石ラボラトリーで保管されていて、一部はWebで公開されています。興味のあるかたは、一度ご覧になってみてください。
南極隕石ラボラトリ

続きを読む


タグ:隕石

ガリレオ「海王星は惑星」知ってた? 豪の研究者が新説 [科学系よもやま話]


昨年(2009年)は、ガリレオ・ガリレイが望遠鏡を天空に向けてから400年となることを記念し、『世界天文年』として、各地で多くのイベントが行なわれましたね。

このブログでも国立科学博物館で行なわれた『ガリレオの天体観測から400年 宇宙の謎を解き明かす』をご紹介しました。
※この企画展は、大阪市立科学館で開催中です(~2010年1月31日)。
彼の残した業績は、本当に偉大な物で、金星が満ち欠けや木星のガリレオ衛星を発見し、これらの裏付を元に地動説を唱えた事は有名ですね。他にも振り子の等時性の証明や、落体の法則の発見など、枚挙に暇がありません。

そして、現在の科学の基本的なルールとも言える、検証による証明を使った事も忘れてはいけないでしょう。即ち、読者に同一の実験を促して検証させることによって、自説の正しさを証明するという手段です。
これは、今日の論文でも基本であり、再現性は科学的方法の根幹をなす主要な原則とされました。勿論、今では、量子力学などの確率的な出来事を取り込み、統計学的な論理・手法が重用いられるので、必ずしも再現性が必要かというとその限りではないんですけど・・・。

もしかしたら、そんなガリレオの発見に、新たな1ページが加わるかもしれませんね。

それにしても、未だにガリレオの研究内容を研究している人達が居るんですね~。そっちの方に驚きました^^;
彼の思考を読み解く学問という感じなのでしょうか?

続きを読む


ウナギの祖先は深海魚 DNA解析から推定 [科学系よもやま話]


記事によると、ウナギ科を含む近縁の19科56種のミトコンドリアDNAの全長塩基配列を比較し、系統関係を調べた結果だそうです。

その結果は、姿形が似ているアナゴ科などとは関係がやや遠く、巨大な口や、くちばしのようなあごをした奇妙な形の深海魚も属する、熱帯付近の中深層にすむシギウナギ科、ノコバウナギ科、フクロウナギ科などと近いという結果だそうです。ウナギと名はつけど、ウナギ科とはむしろ遠い関係とみられていた仲間の方が近縁だった訳ですね。

この結果から、ウナギの祖先は深海にいたが、より栄養豊富な淡水域に成長の場を淡水域に移すように進化したと推定しているようです。

今回の報告は、形態から推測しても決して辿りつけなかtったでしょう。DNA解析が実用化されたからこその発見だと思います。

続きを読む


ベテルギウスに爆発の兆候 [科学系よもやま話]



一等星が多く輝く、派手な冬の星空ですが、オリオン座の『ベテルギウス』の表面が盛り上がっていると思われる観測結果が、米航空宇宙局(NASA)から公開されたそうです。専門家は「爆発は数万年後かもしれないが、明日でもおかしくない」と話しているそうですが、もし爆発すれば、とんでもなく明るい輝きを見る事ができるでしょう。

もともとベテルギウスは、赤色超巨星として知られているので、いずれは超新星爆発を起こすのでしょう。できれば、その瞬間を見たいものです。

しかし、600光年離れた恒星を観測出来るんですね~。

桜島の火口上空に「火山雷」 [科学系よもやま話]



このニュースを見るまで、火山雷(volcanic thunder)という現象がある事を知りませんでした。火山が噴き上げる水蒸気や火山灰,火山岩などの摩擦によって溜まった静電気による雷なんだそうです。

最近、活発な噴火を続ける鹿児島市の桜島で撮影されたそうですが、幻想的というかド迫力というか・・・。写真を見ながら、地球創世記ってこんな風景だったのだとろうかと、想像してしまいました。

これも、是非生きているうちに生で見てみたいです。
それが叶わなくとも、是非ハイビジョン映像で誰か撮影してくれないものでしょうか。
それにしても、地鳴りや大気が震える振動を想像すると、身が震える思いがします。

正体不明の物体、地球に接近中 月より近くを通過へ [科学系よもやま話]

米航空宇宙局(NASA)の発表で、10日にマサチューセッツ工科大の観測で見つかったばかりの10~15メートルの小惑星と思われる天体が13日の午後9時46分に、地球に約12万キロまで最接近したと発表したという記事。

数10m程度の小天体が月軌道内を通過するのは、それ程珍しい事ではないのですが、今回ニュースに取り上げられたのは何故なのでしょうね?まあ既に通過しているので、勿論何事も無かった訳ですけど。

因みに、NASAでは、地球近傍の天体について『Near Earth Object Program』として、軌道図を公開しています。直リンクはコチラ
The Near Earth Object Program(JPL)

軌道を見ていると、なかなか面白いので、興味のあるかたは、遊んでみてください。惑星と小天体の位置と軌道を表示させたり、軌道を消して位置関係だけ表示してみたり、中心を太陽にしてみたり地球にしてみたりと、なかなか良く出来ていると思います。


タグ:NASA
前の10件 | 次の10件 科学系よもやま話 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。